中東工科大生、デミレル元大統領の発言に抗議
2007年03月30日付 Zaman 紙

大統領選挙を前にして大学生が運動をおこさないことを批判し、「中東工科大の学生たちはどこへいったのだ?」と発言したスレイマン・デミレル第9代大統領が、興味深い抗議を受けた。

元大統領の発言に怒った中東工科大生たちは、デミレル元大統領の自宅があるギュニズ通りに集まった。しかし警備隊が広範囲に警備網をはり、抗議の学生たちを自宅に近づかせなかった。約150人もの集団の行動は、この種のことに不慣れな住民たちの関心を引いた。「スレイマン・デミレル元大統領に中東工科大学生からレクチャーを。」というプラカードをもった参加者たちは、しばしば「中東工科大学はここだ。モリソンはどこだ?」とスローガンを叫んだ。
さらにその後、ひとりの学生が記者会見を行い、アメリカがトルコに軍事基地をつくったのはデミレルの責任であると主張した。そしてデミレルはポピュリズムと嘘をトルコにもたらした人物であるとも述べ、次のように続けた。
「デミレルのやっていることは正しくありません。次期大統領選挙を前に生じた保守主義と進歩主義をめぐる議論に、元大統領が負うところは大きいからです。羊飼いというニックネームをもつスレイマン元大統領のような人種は、民衆が羊の群れだった時代には政治家として活躍することができます。泥棒や密輸業者や詐欺師たちが大統領官邸で家族写真を撮影することができた国で、大統領府がクリーンになれる可能性はありません。」

デミレル元大統領に対する最初の反発は、中東工科大学同窓会のヒムメット・シャーヒン会長から出た。同氏はデミレル元大統領が「社会から逃げ、政治的支持者を探そうとしている。」と主張し、次のように続けた。「中東工科大生たちは、自らの要望を民主主義的手法によって表現しようとしている。」

アンカラ1978年同期会のルシェン・スュムビュルオール代表は、中東工科大学を「こんな状況」にしたのはデミレル元大統領だと述べる一方で、学長相談役のビルゲハン・オゲル教授は、学生たちは暴力に訴える代わりに、民主主義の規則の枠内で努力をしていると述べた。
トルコ技術者・建築家協会のメフメト・ソーアンジュ会長は、「中東工科大学で抗議活動が行われなかったことをありがたく思う」人物がいるとしたらそれはデミレル元大統領だと述べた。

■デミレル元大統領:中東工科大生はどこにいった?

27日の火曜日、ビルケント大学の学生との対談に参加したデミレル元大統領は、「大統領選挙の前だというのに大学では抗議活動が行われていません。中東工科大生たちはどこにいってしまったのでしょうか?」という質問に対し、次のように答えた。「この質問に答えるべきは中東工科大生たちです。彼らに伝えましょう。とはいえ本当にどこへいったというのでしょうか、この中東工科大生たちは?」

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:10522 )