国連人権理事会は、イスラームという宗教への侮辱を全世界で禁止することを呼びかける決議を承認した。
理事会において、イスラム会議機構が提案した「イスラームをテロリズム、暴力、人権侵害によって定義づけようとする企てに深い憂慮を表明する」との決議は、反対14票、賛成24票で承認された。47の理事国のうち9カ国が棄権し、欧州諸国と非ムスリムの数カ国が反対票を投じた。
決議において、イスラーム以外の他宗教は言及されなかった。しかし、「いかなる宗教、または宗派に対する侮辱、悪意、敵愾心、暴力を含む人種差別、そして外国人を敵視する思想の流布を禁止するために、断固たる措置を取る」との呼びかけがなされた。
■EUもマニュアルを準備
欧州連合は、加盟国の政府報道官や他の権威筋らの声明で、イスラームとテロとを関連付けることに終止符を打つために特別なマニュアルを準備した。英紙デイリー・テレグラフの報道によると、ブリュッセルのEU権威筋は、対テロ作戦が発表される際に使用されることになる「(イスラームのイメージを)傷つけない」用語を提案したブックレットが準備されていると述べた。他のEU権威筋は、内密のブックレットにはムスリムの信仰が害されたり、欧州におけるムスリムが疎外されたりすることをくい止める目的があると語った。
禁止された言葉の中には、「聖戦」「イスラーム主義者」「原理主義者」というような表現も含まれている。「イスラームのテロリズム」という表現の代わりに、「諸作戦にイスラームを道具として使う、悪意を有するテロリストたち」という用語を使うことが推奨されている。
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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:10528 )