刑務所が満員に 日に平均100人が入所
2007年04月03日付 Hurriyet 紙

トルコの刑務所は、ここ27年間で最も高い収容率を記録した。4月初め以降、囚人の数は8万人に達した。法務省は、現在建設中の刑務所の完成を急ぐ一方、いくつかの県では刑務所が存在しないため、逮捕者や有罪確定者は他県の空き刑務所に移送されている。

新設刑務所はその多くがイスタンブルで建設中である。法務省の発表によるとイスタンブルで建設が相次いでいる刑務所の完成に伴い、有罪確定者が他の県に移送される必要がなくなる。

法務省刑務所・留置所(管理)局長ケナン・イペクにより作成され、法務相に提出された「刑務所の活動」に関する報告書には、建設が続く刑務所の最新の情報も掲載されていた。

刑務所で囚人に与えられるサービスをより質の高いものにし、さらに職員を今よりももっと活用するため、小規模な刑務所は閉鎖する傾向にある。
古くからあるアンカラーウルジャンラル刑務所以後、メトリス刑務所をも閉鎖し始め、今週末囚人の移送業務が終了する予定だ。バイラムパシャ刑務所とイズミルーブジャ刑務所も閉鎖予定の刑務所となっている。


■刑務所統計
刑務所・留置所(管理)局により作成された刑務所統計は、トルコの「犯罪と刑罰」マップを示してくれている。共和人民党イズミル選出国会議員のアフメト・エルシンにより、質疑提案用にまとめられた統計データによると、この2月には一時間ごとに4.5人が刑務所に入所した。合計収容人員が11089人となる9つの刑務所に、計20053人が収容されていることになる。

トルコ大国民議会人権委員会のメンバーである共和人民党員エルシンは、法務相ジェミル・チチェキからの返答を求める形で、質疑提案をトルコ大国民議会議長におこなった。エルシンは質疑提案で、「イスタンブル・バイラムパシャ刑務所の定員が1880人であるにもかかわらず2007年2月28日以降2498人が収容されている。このペースでいくと、健康や食事や寝起きといったことが原因で刑務所に深刻な問題が発生しうる。問題をどのように解決するおつもりですか?」と質問した。

エルシンは、刑務所における様子についても質疑提案で、「刑務所の定員をかなりオーバーした状態で逮捕者や有罪確定者が寝起きしている。三段ベッドのほかに、コンクリートの地面に寝床が敷かれている」との形で表現した。

■お金のため犯罪組織に
共和人民党員エルシンによって分析された刑務所統計は、トルコの犯罪プロフィールの変化を表すような驚くべき数字を明らかにしている。これによると刑務所には2536名もの「お金のため犯罪組織のメンバーになったもの」が収容されているが、「左派テロ」と位置づけられるもの数は1102名、「右派テロ」は349名であった。

■28日で3026名
エルシンの質疑提案の根拠となっている法務省のデータによると、2007年1月31日に74399名であった刑務所収容人員が28日間で3036名増え、77425名となっていた。トルコで、77425名に達する刑務所収容人員がいるということは、28日ある2月では一日当たり108名、一時間当たり4.5名が刑務所に送られたことになる。イスタンブル、イズミル、アダナ、アンタリヤ、アイドゥン、ブルサ、ガジンテペ、コンヤ、メルスィンにある刑務所の合計収容定員が11089名であるのに、これらに計20053名が拘留されていることが明らかとなった。

■新設刑務所が作られるのか?
エルシンは質疑提案で、「近いうちに新しい刑務所を作る予定はあるのか?看守役人の労働条件を改善することや経済問題を解決するため考えはあるのか」との質問をも向けた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:10555 )