夜中も続く発掘作業は世界初? ― イスタンブル・マルマライ建設現場で
2007年04月09日付 Milliyet 紙

イスタンブルの地下鉄・マルマライの掘削工事で、(旧市街の)イェニカプで古代の港が出土したため工期が延びると考えた建設会社は、考古学的な発掘作業を24時間体制にした。イスタンブル考古学博物館の考古学者とボランティアの6人の考古学者が、3交代で昼夜休みなく作業している。

イスタンブルのボスフォラス海峡にチューブ型トンネルを通してハルカルとゲブゼを鉄道で結ぶマルマライ・プロジェクトの一環で、イェニカプで続けられている考古学的な発掘作業が24時間体制に強化された。トルコ初となる夜間の考古学的作業では、30人の考古学者と100人の作業員が作業に当たっている。
イスタンブル考古学博物館の監督の下に続けられているマルマライの発掘作業はペースを上げた。イェニカプで古代の港が出土し、19隻の沈没船(の遺構)が見つかったため工期が延びると考えた建設会社は、発掘を24時間体制にすることで工期延長を回避した。
ミレット、アーラット、ソウト、アンカラ、ベルガマの各博物館からボランティアでやって来た6人の考古学者とイスタンブル考古学博物館の考古学者は、1カ月の間3交代で作業に当たっている。24時間体制の発掘が行われているイェニカプでは、夜に重要な出土品があることが判明したときには、出土作業を昼間にずらしている。見つかった沈没船の数が19に上るため、考古学的な発掘がどれくらいの期間で完了するのか今のところはっきりしていない。

■見つかった陶磁器は分類

照明の明かりに照らされた発掘現場でつるはしとシャベルで掘られる土はまず作業員が、次に考古学者がチェックする。手押し車でベルトコンベアーに運ばれた土は、穴から出されてトラックに載せられる。見つかった陶磁器のかけらは上に番号の書かれたケースに集められる。
昼間、ケースにある陶磁器は分類され、記録される。発掘には考古学者のほか、人類学者や地質学者、美術史家、建築家、写真家が参加している。

■約3.5メートル掘り下げた

発掘現場を本紙取材チームに案内したイスタンブル考古学博物館長のイスマイル・カラムト教授は次のように語った:「24時間体制で考古学的発掘を行うのは我が国でも世界でも初めてのことだ。交通省から要請を受けたとき、我々は考古学的に妥協はしないと伝えた。考古学者と作業員の増強とともに、よい照明施設を求めた。交通省も我々の出した条件を実現させた。どんな小さな硬貨1つも無くさない心積もりだ。3カ月程度の期間で作業を完了させられればと思っている。しかし重要な出土品が出れば期間は延びる。目下元の土地から3メートル40センチ掘り下げた。さらに同じだけ掘るつもりだ」。

■出土品は6月25日に博物館で公開

カラムトは、ウスキュダル、スィルケジ、イェニカプで続く発掘で見つかった出土品を6月25日に考古学博物館で展示する予定であることを明らかにした上で、「発掘ではさまざまに異なるやり方をとっている。例えば港から出た木材は調査のためアメリカに送った。他方で、見つかったラクダの骨はイスタンブル(大学)獣医学部に調査してもらう一方、墓地から出た人骨は人類学研究所に送った」と述べた。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:10612 )