エジプト財務相、ワシントンのケイトー研究所で講演
2007年04月14日付 Al-Ahram 紙

■ 財務大臣、ワシントンのケイトー研究所で講演
■ 「経済改革を後退させない」
■ 「ポテンシャルに欠ける公営セクターの解体を継続」
■ 「次のステップは市場力の拡大と年金改革と『食い物にされる市民』という論理の解消」

2007年04月14日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】

 ユースフ・ブトルス・ガーリー財務大臣は、エジプトの経済改革の断行には後退の余地がなく、政府は保護政策とポテンシャルの欠如を象徴している公営セクターの解体を最大限に続ける、と明言した。

 一昨日、ワシントン最大の一般金融政策の研究機関であるであるケイトー研究所(Cato Institute)付属の「自由・グローバリゼーション・繁栄センター」で講演を行った財務大臣は、「公営セクターは現在エジプト経済の30%を占めているが、民営化は継続されており、民営化による収益は150億から200億エジプト・ポンド、GDPのおよそ3%相当に達すると予想される。ただし、医薬品や兵器生産といった戦略的な意味を持つ生産・サービス部門は民営化プロセスから除外される」と語った。

 財務大臣はまた、経済改革を支える次のステップは、それぞれの能力に応じて誰もが参加することの出来る市場の力の拡大だとの考えを明らかにした。そして年金を4グループに分け、年金基金への加入を可能にする、有名なスウェーデン方式に則った年金制度改革法案も準備中である、と語った。

 ブトルス・ガーリー財務相は、エジプトは今や改革の自己推進システムを備えるに至っており、今年度上半期で7.5%の経済成長を実現、今年度の残りの期間でも同様の傾向が継続するものと予想され、投資、消費、輸出の増加など様々な部門で成長が見られ、外国からの直接投資は4年前の4億5200万ドルから71億ドルに増加した、と指摘した。
 
ガーリー財務相は、エジプトの経済政策を決するいくつかの原則が存在しているが、それは格差是正、地域の利益実現、継続の保持であると述べた。そして、改革プロセスを左右する4つの要素を次のように明確にした。1つ目は係争の解決および、登録料を2000エジプト・ポンドにまで下げることで商標登録を進めることを通じた経済・政治・治安面での秩序維持。2つ目は、国家とは個人の収入を奪う野獣だという一般に流布したイメージを、秩序と透明性を保証する力を持つと同時に力ずくではない形で税金を徴収する絶対的な権利を有するという、バランスの取れた国家像を実現することを通じて解消していくこと。これについて財務相は、「官僚主義という対処法は、国民からの収奪を解消する方法の一つだ」と語った。
そして3つ目は状況適応の能力であり、4つ目の要素は、国家が貧困層にダメージを与えない形で富の再分配を行うことである。

ガーリー財務相はまた、今日から始まる春季総会への参加を前に、IMFおよび世界銀行の責任者らとも一連の会合を行った。

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:10684 )