参謀総長が4月27日夜に出した声明に対し、EUに引き続き欧州評議会からも厳しい警告があった。
声明を懸念していたことを明かした欧州評議会テリー・デイビス事務総長は「軍部は政治に口出しすべきではない。」と語った。
欧州評議会から出された文書では、「軍部によって行われた声明発表を大変懸念している。軍部によるこうした声明は、大統領選挙に影響を与えることを目的としてなされたように見える。軍部は政治に口出しすべきではないし、政治から距離を置くべきである。」と述べられている。民主主義体制において、軍部というものは国民により選ばれた政治指導者の指揮下にあるものだと語るデイビス事務総長は、以下のように述べている。「軍部は自らに関わる民主的立憲制の主ではない、それゆえ政治的な役割を果たしてはいけない。欧州評議会の加盟国において、大統領選挙のような民主主義的で憲法に基づくプロセスのなかで、軍部がこのような形で行動を起こしたことに私は困惑している」。人権と民主主義の拡大を目的とした欧州評議会(本部はストラスブール)の加盟国であるトルコが、人権問題解決のための長い道のりを歩んできたことを強調するデイビス氏は、この成功を危機にさらす事のない様にと述べた。また、トルコが憲法に基づくプロセスに則って大統領を選出しうるだけの、民主主義的成熟さを持っていると信じていると語った。
EU拡大担当委員のオッリ・レーン氏に続いて欧州委員会ホセ・マニュエル・バロッソ委員長も参謀総長の声明に反発を示した。CNNで語ったバロッソ委員長は、トルコがいつの日かEUへ加盟できることを望んでいるが、このためにはトルコがまず真のヨーロッパにならなければならないと述べた。バロッソ委員長は、この問題はトルコとの加盟交渉にも影響すると述べた。欧州委員会のスポークスマンであるヨハネス・ライテンベルゲルも、まず第一に、民主主義のプロセスが民主主義的に選ばれた政府に手渡されることが必要であると強調した。世俗的民主主義が彼ら自身にとっても重要だとするライテンベルゲルは、憲法裁判所は外からの圧力に影響されずに判決を下すことが必要だと述べた。EU拡大担当委員オッリ・レーン氏は参謀総長の声明を非難し、大統領選挙が軍部にとっての民主主義の試金石になることを強調した。レーン氏は以下のように語っていた。「EU加盟を望む国は、その国での民主主義的な活動を妨害してはならないことを知る必要がある。」
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:10778 )