今年のトルコは400年に1度の暑さ―さらに温暖化が進めば2030年にはこうなる!
2007年05月09日付 Milliyet 紙
全世界における中程度の豪雨の減少と、豪雨の増加を強調するミクタド・カドゥオール博士は、2007年以降に関して暗い見通しを発表した。イスタンブル工科大学航空宇宙学部気象工学科と災害管理センターで教鞭をとるカドゥオール博士は、「1998年の暑さはこの400年で最高だったが、2007年はさらに暑くなる」と語った。
博士は、熱波のため2003年にヨーロッパで3万5千人が亡くなったことに触れ、アンタリヤで湿度と共に大気温度が40.6度を超えた際に感じられた熱波については警報を出す必要があると述べた。
また、1960年代と比較すると、この10年の災害件数は3倍、経済損失は9倍、保険の損失は15倍に増加したと述べ、トルコを待ち受ける予想図を以下のように描いた。
■2030年のトルコ
2030年の温度は、冬には2度、夏には3度上がるだろう。内アナトリア地域帯では砂漠化、黒海地帯では降雨が増加、エーゲ・地中海地帯では旱魃が進むだろう。森林火災も増加する。
熱波が死因になるだろう。農業害虫が増加するだろう。クリミア・コンゴ出血熱(KKKA)やマラリアのような害虫による病気が増えるだろう。
海水レベルは59センチメートル高くなり、トルコの海岸沿いに住む1000万人が影響を受けるだろう。海水が10センチメートル高くなるだけでも、海岸沿いの10メートル分が失われる。
■旱魃も洪水も増加
特に地中海地帯では、降雨は減少するが降った際には激しい降雨となるだろう。突発的な洪水や大雨、雷が起こる可能性がある。
イスタンブルで冬の温度が1度上昇すれば、熱エネルギーを平均10%節約できる。しかしこれに対して、夏に1度温度が上昇すればアダナでクーラーの需要が30%増加する。
■農地は20%失われるだろう
博士は、これら全てのマイナス面を最小限にとどめるために、個人ができることを以下のように並べた。
「プラスチック製品の使用を減らし、袋は繰り返し使うこと。二酸化炭素削減のためごみを再利用すること。野菜は手でなく容器の中で洗えば、4人家族で年間18トンの節水になります。シャワーは5分で済ませてください。歯磨き、髭剃りの際は蛇口を閉じる。1日に75回もシャワーを浴びられるほどの水を無駄にしてしまう水漏れの蛇口は修理する。1日に1回でもトイレで必要なく水を流さないようにすれば、年間16トンの節水になります。4人家族が食器を手洗いすれば126リットル、食器洗浄機を使えば 12リットルの水を消費します。使用していない時はコンピュータの電源を落とすことで年間83%節電できます」
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:10846 )