フランス新大統領の下での内閣に所属が見込まれているミシェル・バルニエ外相は、「サルコジ大統領がEU内でトルコに対するフランスの姿勢を変えるのは必至」と発言。2008年、緊張が高まることが予測される。
フランス大統領の座を5月16日、ジャック・シラク現大統領から継ぐ直前にヨット観光に出かけたニコラ・サルコジ氏だが、トルコのEU加盟に対立する彼の姿勢は今後も話題となりそうである。シラク大統領とともにトルコのEU加盟のため力を尽くしたバルニエ外相は、サルコジ氏の外交関係コンサルタントかつ将来のヨーロッパに責任ある大臣として、以前の見解を捨てたことを明らかにした。Iテレに迎えられたバニエル外相は、「ひとつ確実なことがある。それはサルコジ氏が就任すれば、EU内でフランスのトルコに対する姿勢は変わるということだ」と話した。
バニエル外相は、フランスが2年前の国民投票でEU憲法を否決したことを指摘し、次のように話した。「トルコがEUに完全加盟することをフランス国民が望んでいないという事実が、国民投票で明らかになった。この声に耳を貸さずにいることはできない。サルコジ氏は、この問題に関し極めて明確に考えを明らかにした。フランスの態度は変わる。」過去にトルコ側に立ち
トルコのEU加盟を支持していたことを指摘されると、「国民投票が行われるまではそう信じていた。しかし、トルコのEU加盟問題は憲法を否決させた。私の考えも変わったのだ」と返答した。
■レーン欧州委員会拡大担当委員から項目の約束
関係筋によると、サルコジ氏が2008年6月に欧州連合理事会議長に就任するとともに、トルコは厳しい状況に置かれることとなる。トルコの7月の総選挙後、新政府がEUに対する見解を明らかにし、2008年満場一致で新たな交渉項目が発表されるさい、サルコジ新議長は拒否権を発動する可能性が高い。しかし、交渉が凍結されるためには加盟国の満場一致がなければならないため、早急な決裂はないと予測される。
昨日アリ・ババジャンEU加盟交渉担当がブリュッセルで会談を行った、オッリ・レーン欧州委員会拡大担当委員は、サルコジ氏の当選を祝福することで、選挙結果の良し悪しを評価することを差し控えながらも次のように話した。「トルコとの交渉の決定は全加盟国の意見一致によってなされた。一加盟国がその方法を変えるためには、その国が率先して行動を起こし、起こりうる結果に対しても責任を負わなければならない。フランスがその義務を果たすことに関しては信頼している。」レーン委員はまた、この注意を要する困難な時期においては、EUはトルコと結んだ約束を果たし、トルコは基準を完全に満たすよう勤めるべきだと話した。さらに、ドイツが議長国の座を引き渡す7月1日以前の、経済・金融政策、統計、会計監査の項目での交渉開始を目標にしていることを明らかにした。
■プーチン大統領、遅れての祝福
他の主席とは異なりウラジミール・プーチンロシア連邦大統領は、アメリカに肩入れするサルコジ氏を48時間遅れて祝福した。昨日ロシアのメディアは、サルコジ氏に対する祝福がなされなかったことが関係の悪化に繋がるとの解釈をしており、その夜プーチン大統領からフランス新大統領に対し、二国間関係の強化、国連安全保障理事会およびEUにおいて協力を呼びかける声明が届いた。
サルコジ氏はというと、家族とともに日曜の夜シャンゼリゼの高級ホテルに宿泊し、月曜は富豪実業家の友人ヴィンセント・ボローレ氏の所有するジェット機でマルタを飛び、同氏の長さ60メートルのヨットでシチリアへ向かった。そのヨットはチェルシーフットボールクラブのオーナーである、ロマン・アブロモビッチ氏のヨットの隣に停泊していた。この贅沢に対し社会主義政治家たちは、「彼はまったく別の世界の住人だ。貧困層のではない、株式市場の大統領なのだ・・・」と批判の声を上げた。
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:10847 )