フランスの罠 -トルコEU加盟ではなく地中海連合の設立を
2007年05月12日付 Hurriyet 紙
ニコラ・サルコジは、大統領選挙の間、頻繁に「トルコはEUの一員になるべきではない、我々は特権的パートナーシップを築くべきである。トルコはヨーロッパではないが、しかし強力な地中海の国である」という言い方をしていた。選挙後に行った勝利演説で、「強力な地中海連合を設立しなければならない。このようにして、中東と北アフリカの国々はEUと経済的に一つになることが可能なのだ」と語った。
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙によると、サルコジのこの発言は大きな反響をもたらし、トルコのEU加盟を阻止する「最も利口な」方法と評された。サルコジの計画は、1995年につくられたEUによる地中海地域経済発展計画(MEDA)を拡大化したものである。計画によると、ポルトガルからエジプト、イスラエルからギリシャまでの15カ国が、EUの衛星国家という位置づけで、地中海連合のメンバーとなる。経済のみでなく、政治的協力も構築される。
しかし、トルコのEUへの扉は閉ざされることになる。EUの一員であるイタリア、フランス、ギリシャ、南キプロス、スペイン、そしてポルトガルといった国々が地中海連合の中心になる予定だ。
メルケルと会談するだろう
フランスの政府関係者らは、「新しく連合体がつくられれば、我々はトルコ問題に対処できるだろう。ムスリムとキリスト教徒の国が同じ連合に加わることになる。よって宗教間の対話にも役立つ」と語った。外交筋らは、「サルコジはトルコに特権的パートナーシップの門戸を開いたことになる。計画を実行に移した。来週、ドイツ首相のメルケルと会談する予定である」と述べた。サルコジのプロジェクトに対して、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、エジプトから前向きな返答がきた。イスラエル副首相のシモン・ペレスは、サルコジとの電話会談で「重要な試みである、すぐに討論しなければならない」と述べた。
トルコは反対した
AKPイスタンブル国会議員でエルドアン首相の顧問である、エゲメン・バウシュは、サルコジの試みに厳しい反応を示して、「これがトルコのEU加盟の代替案として提示されることは認められない。もしトルコに対して例外的な扱いがあれば、これは10億5千万人のムスリムに不快なメッセージを送ることになる」と述べた。
我々はサルコジを支持しない
スペイン外務大臣のミゲル・アンヘル・モラティオスの発言:フランスのトルコのEU加盟に関する政策を我々は支持しない。トルコ国内には政治的問題はあるが、我々は改めてトルコのEU加盟へ援助を行うものである。
我々はトルコに約束した
イタリア外務大臣マッシオ・ダレマの発言:我々はトルコと討議をしている状態だ。ヨーロッパ議会が行った採決がある。トルコに対しこのような時期にEUへの扉を閉じることは、この国をイスラム主義に向かわせることになる。我々は先入観を持つべきではない。
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:10874 )