「良心ある泥棒」、盗品を返却
2007年05月15日付 Milliyet 紙

ケメル郡で10日前にある家に侵入し貴金属と600YTLを盗んだ窃盗犯が、盗品を謝罪の手紙と一緒に返却した。

アンタリヤ県のケメル郡で、一軒の家に侵入した窃盗犯は、盗んだ貴金属と現金全てを10日後に詫び状と共にビニール袋に入れ、バルコニーにかけて返却した。

ケメル郡メルケズ街区で5月3日の夕方、ジュリアさん(29)とエミル・バジャクスズさん(31)夫妻の家に泥棒が侵入した。その泥棒は、エミル・バジャックスズさんが妻のために特別 注文したダイヤモンド4石をはめ込んだ結婚指輪、ネックレスやピアスが入っていたジュエリーボックス、カメラ、時計などの高価な品々と現金 600YTL(約55000円)を盗んで逃走した。夫妻は警察に通報したが、警察による捜査では成果はなかった。

事件から10日後、洗濯物を干すためにキッチンのバルコニーに出たジュリア・バジャクスズさんは、ハンガーに掛けられた黒いビニール袋の中に、盗まれた品々と現金が全て入っているのを見て、非常に驚いた。

■「アッラーが罰を与えるでしょう」

手書きで書かれた無記名の詫び状には、「私のしたことは、私の愚かさ故だと思ってください」と書かれた。そしてその泥棒は、これより前にも盗んだ品々を返却しようと試みたといい、次のように続けた。「数日前から返したいと思っていましたが、ある年配の人に追い払われてしまいました。私は悪いことをして得たお金でお腹をみたすことはできません。あなた方の所へどんな顔をして行けば良いのか分かりませんでした。あなた方は私にとって偉大な方々です、どうぞお許しください。アッラーの罰が私にくだりますように」

エミル・バジャックスズさんは、「妻のために買った結婚指輪の精神的価値は大きいものでした。私たちは泥棒に感謝しています。良心ある泥棒のようです。ここへ来て私を見つけてくれれば、生活を楽にするために私の出来ることをしたいと思います。少なくとも定期的に収入を得られるよう仕事を見つける手助けは出来ると思います」と語った。

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( 翻訳者:新井仁美 )
( 記事ID:10896 )