イラン・エジプト関係回復のための条件
2007年05月19日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】マフムード・アフマディーネジャード大統領が在カイロ・イラン大使館を再び開設する用意があると表明し、それに対しエジプト政府が慎重な受け止め方を示してから数日が経過した。これに関して国家安全保障最高評議会のアリー・ラーリージャーニー書記は、「エジプトとの関係で考慮すべき点」について語った。

 アリー・ラーリージャーニー書記は、オマーン外相との会談後、「エジプトとの関係回復に対するイランの目的は何か、また関係回復には条件があるのか」との質問に対し、「エジプトとの関係回復の議論は今に始まったことではない。かつてより、また、前政権の時にもあったし、様々な訪問の際に両国は自国の見解を表明していた。イランにもこの問題について考慮すべき点があるように、当然両国は様々な条件をつけるであろう」と述べた。

 ISNA(イラン学生通信)によれば、同書記はまた、「しかしながら、イスラーム世界において重要な両国が、理性的で公式な関係を持つという原則は正しい。(関係樹立に)必要な条件を明確にし、整える必要がある」と述べた。

 アリー・ラーリージャーニー書記は、「イランにおいても本問題につき考慮すべき点が発生するだろう」と強調した。

 イラン大統領は、アブダビでの記者会見において、エジプト政府が賛同するなら、本日の就業時間内にも〔=すぐにでも〕カイロにイラン大使館を開設すると述べていた。このイラン政府の姿勢はエジプト政府に対する善意を示すものであったが、エジプトのアブルゲイト外相はアフマディーネジャード大統領の表明を歓迎しつつも、イラン外相とのこの分野に関する話し合いを将来に、実際にはエジプト政府の決断後に持ち越すとしていた。

 他方、エジプト外相は昨日、最新の意見表明の中で、イランとの全面的な関係回復に必要な条件を示した。エジプト外相は、両国関係の最大の障害は、テヘラン市内の通りの一つにつけられた名前、「ハーレド・イスラームブーリー」と関係がある旨明らかにした。

 ファールス通信によれば、アフマド・アブルゲイト外相は、アル・アラビーヤ局とのインタビューの中で、「イランとの関係の全面的再開は、テヘラン市にあるハーレド・イスラームブーリー通りの名前の変更と、いくつかの通りに掲げられた同氏の肖像画の撤去と大きく関わってくる。もし、イランが1981年にエジプトのアンワル・アル・サーダート大統領を暗殺した、ハーレド・イスラームブーリーの名前及び肖像画を排除すれば、問題の90%は解決するであろう」と述べ、「この問題が解決した後、両国の将来の関係のあり方について話し合いを行うであろう」と付け加えた。

 第2期テヘラン市議会(現在は第3期)ではハーレド・イスラームブーリー通りの名前を変更することを決め、代わりに「エンテファーゼ(インティファーダ)」という名前を提案していたが、依然としてテヘラン市内のアールジャーンティーン(アルゼンチン)広場を臨む通りの名はハーレド・イスラームブーリーのままである。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:10935 )