パレスチナ内部衝突 イスラエルの介入で事態さらに悪化
2007年05月17日付 Al-Nahar 紙
■ 挙国一致内閣、ガザの交戦で分裂
■ イスラエルは爆撃と扇動の油を注ぐ
2007年05月17日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
パレスチナの「合意」とメッカ合意から生まれた「挙国一致」内閣は「合意」と「一致」の当事者であるイスラーム抵抗運動ハマースとファタハの戦闘によって崩壊した。双方の支持者がガザ市の通りや民家や住宅を蹂躙し、住民の生命や苦しみを何ら気遣うことなく周囲を戦場と化さしめている。双方がメッカ合意によって決められたすべてのレッドラインを越え、利用できるあらゆる武器を用いてお互いに攻撃をしかけ合っており、犠牲者の数は1日で21人、戦闘のつづいた3日間で42人に上った。戦闘は全く統制が効かなくなっているもようだ。停戦の合意が成立するたびに(最近の合意は昨夜)、その後にさらに激しい戦闘が再び起こり、より多くの犠牲者が出ている。
そこへイスラエルが介入してきたことによって事態はさらに悪化した。イスラエルはある時はパレスチナの一方の勢力を扇動し、パレスチナのマフムード・アッバース大統領に対して「ハマースのテロリストに対する戦争」を支援する準備があると表明し、またある時はイスラエル南部の都市スデロットを狙ったロケット弾による攻撃に対抗するとの理由でパレスチナ側の拠点に対して空爆を行った。空爆ではパレスチナ人4人が死亡し、イスラエルのエフード・オルメルト首相はパレスチナ側の砲撃の拠点に対して「厳しく報復する」と警告している。パレスチナのアッザーム・アル=アフマド副首相は、パレスチナ大統領はガザ地区において緊急事態を宣言するだろうとの見通しを示し、大統領が木曜日にパレスチナ各派との話し合いを行うためガザ地区に向かう可能性を示唆した。
あるパレスチナ政府高官は、正体不明の武装集団が昨夜、イスマーイール・ハニーヤ首相宅の警備員に対して発砲したが、けが人はなかったと述べた。
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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:10954 )