YÖK理事長殺人未遂事件の容疑者、ディンク殺害犯を模倣か
2007年05月01日付 Milliyet 紙

ヌルッラフ・イルギュン容疑者は、高等教育機構理事長のエルドアン・テズィチ教授を殺害しようとしたとして逮捕された。同容疑者がアゴス新聞のフラント・ディンク総編集長を射殺したO.S.を模倣したこと、そしてディンク氏が射殺された後、交際相手の女性にO.S.を褒め称えて、「ほら見てごらんよ、この少年は有名になった。とてもうまくやった。彼の未来はかがやいている。自分も高等教育機構(YÖK)の理事長を射殺するぞ」と語ったことが分かった。

イルギュン容疑者は裁判所で、「テズィチがイスタンブルに来ていれば、卵を投げて抗議しようと思っていました。イスタンブルにこなかったので、自分がアンカラに行きました。目的は殺すことではなく、脅かすことでした」と証言した。
「テズィチ理事長暗殺を計画した」として行われている捜査のなかで29日、イルギュン容疑者はアンカラ第11重罪裁判所に搬送された。イルギュン容疑者、彼の同居人ビュレント・アスケルオール容疑者、そしてイルギュン容疑者に凶器を売ったムハッメト・アクマン容疑者は、「殺人未遂、テロ対策法および銃刀法違反」の罪で逮捕された。
イルギュン容疑者の交際相手、ギュルシェン・キュブラヌル・カラドゥマンさんは釈放された。

■ 「覚せい剤を使用していた」

カラドゥマンさんは、裁判所の証言のなかで次のように述べた。
「ディンク氏殺害事件の後、イルギュンは私に『ほらみてごらんよ、この少年は有名になった。とてもうまくやったね。ディンクのような輩をのさばらせてはいけない。この少年の未来は明るい』といいました。そしてイルギュンは高等教育機構の理事長を撃つといいました。『あなたと何の関係がある人なの?』と私は聞きました。彼は何も答えませんでした」

カラドゥマンさんは、イルギュン容疑者が凶行に及んだ後、自分に電話をよこし、「テレビで俺の名前を見たかい?」と聞いたことも証言した。カラドゥマンさんは、ときどき同じ家で生活していたイルギュン容疑者が、最近、覚せい剤を使っていたこと、そして家からカラドゥマンさんを追い出したこと、またあるとき口げんかをしていてイルギュン容疑者がナイフで切りつけてきたこと、しかし警察に被害届を出さなかったことを語った。

イルギュン容疑者は裁判所で、目的はただテズィチ理事長を脅かすことだったと主張し、次のように語った。
「テズィチの政治的なメッセージに耐えられませんでした。(テズィチが)イスタンブルに来ていれば、卵を投げつけて、抗議しようと考えていました。アンカラに行きましたが、私の目的は絶対に殺害ではありませんでした。屋外で発砲して彼を怖がらせることでした。これまで2,3度、後悔してやめようと思い至ったことがありますが、本当の意味での後悔は今、感じています」

■次はパムクだったのか?

イルギュン容疑者は、拘束時に所持していたメモに書かれた名前のひとつ、作家のオルハン・パムクの名のところに「死亡」と書いていたことが明らかになった。イルギュン容疑者は証言のなかで、「オルハン・パムクという名前を、小説『雪』を読むために書きました。名前の横に『死亡』といつ、どうして書いたのか覚えていません」と言った。
イルギュン容疑者は、テズィチ理事長に対する襲撃の後に、カラドゥマンさんに電話で、「もうひと仕事するつもりだ」と言った。このこと次の標的がパムク氏であった可能性を強固なものとした。

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( 翻訳者:トルコメディア研究2007 )
( 記事ID:11022 )