ADHDの若者、家を追い出され自殺:政府の保護体制に疑問も
2007年06月06日付 E'temad-e Melli 紙
錯乱行動を起こした17歳の若者が、家を追い出された挙げ句、農薬を飲んで自殺した。
このアルデシールという若者と家族との諍いは、7年前〔「10年前」の誤植か?〕、彼が7歳のときに始まった。アルデシールが成長するにつれ、父親の手に負えなくなり、父親はいろいろなことで警察に通報するなど、息子に対する法的対応を当局に求めるようになっていった。
この17歳の若者は、先週ついに、父親によって家を追い出され、行き場をなくした彼は、農薬を飲んで自らの命を絶ってしまったのである。
アルデシールは、注意欠陥多動性障害(ADHD)にかかっていた。17歳になり〔「7歳」の誤植か?〕、エディプス期に入った彼は、反社会的行動を起こすようになり、両親を悩ませた。母親は治療を期待して、何度か息子を様々な施設に入院させようとしたが、どの施設もこのADHDの若者を受け入れようとしなかった。最終的に、アルデシールの父親は、息子と諍いを起こした末、彼を家から追い出しまったのである。
彼には行く場所がなかった。彼の家族は父親の親戚とは何年も前から縁が切れており、母親の親戚もアルデシールの父親を恐れて彼を受け入れなかった。そして彼はついに、農薬を飲んで自殺してしまったのである。
この事件は再度、政府の保護体制とケースワーカーやカウンセラーの役割に対する注意を喚起させた。アルデシールの両親に、息子を追い出す以外にもこの問題を解決する方法があると進言するカウンセラーは皆無だった。もしアルデシールが通っていた学校のカウンセラーが一人でも、自らの義務を果たしていたならば、このような事件は決して起こらなかったであろう。ADHDの子供に耐えることは、両親にとっては容易なことではなく、彼らには子供の病気の治療に関する十分な能力も知識もないものである。このような子供に対応することは、ケースワーカーやカウンセラーらによってのみ、可能なことである。
このような事件が起き、アルデシールのような犠牲者が出ることで初めて、ケースワーカーの不在と政府の保護体制の脆弱性が、いつも以上に感じられるものなのである。
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( 翻訳者:白峰侑子 )
( 記事ID:11085 )