オルメルト首相、ゴラン高原撤退の見返りに関してシリアと接触
2007年06月06日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ オルメルト首相、ゴラン高原撤退の戦略的見返りを確認するためシリア政府と内密に連絡か

2007年06月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ナザレ:本紙ズハイル・アンドラウス】

 イスラエルの政界筋は、「イスラエルとシリアが合意に達してイスラエルがゴラン高原から撤退した場合、シリアがイスラエルに与える戦略的な見返りについて、エフード・オルメルト首相は第三者を通して、シリア政府と内密に連絡をとっている」と述べた。またハアレツ紙は昨日、「イスラエル占領軍のガービー・アシュケナジー参謀総長は、イスラエルはシリアとの交渉を再開する必要があると考えている。それはシリアをイランから遠ざけ、アラブ穏健諸国に接近させる余地を与える新しい地域体制を構築するためである」と強調した。

 同紙によれば政界の消息筋は、「オルメルト首相は、ゴラン高原撤退後のイスラエルにシリアが与える戦略的代償について、第三者を通して調査している」と伝えた。同紙の政治記者であるアルーフ・ベン氏によれば同筋は、「イスラエルはティベリア湖付近の国境が平和に保たれるのか、ハマースやイラン勢力の拠点が設けられることになるのかを知りたいのだ」と述べた。

 また同記者は、「イスラエル情報機関がオルメルト首相に提出した分析結果では、イラン、ヒズブッラー、パレスチナ抵抗運動各派とくにハマースやイスラーム・ジハードなどを含むアメリカが言うところの『悪の枢軸』においてシリアが果たす中心的な役割が強調されている」と述べている。

 また同記者は「オルメルト首相は交渉を開始する前に、シリアとイランの関係を弱体化させ、シリアをエジプト、ヨルダン、サウジアラビアといったアラブ穏健諸国に加える可能性を検討することに力を注いでいる」と述べた。また同筋は、「シリアとイランの同盟が維持され、シリアがハマースやヒズブッラーに支援を続ける状況の下では、ゴラン高原からの撤退は危険である」と強調した。

(後略)

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( 翻訳者:青山沙枝 )
( 記事ID:11126 )