〔訳注:ガソリン配給制は
先月22日から全国一斉に開始される予定だったが、準備不足から2週間延期になり、その後再度延期となっている〕
複数の政府当局筋の発表によると、政府公用車に対するガソリン配給制が、明日から開始される予定である。そのような中、昨日、一部の国会議員からはガソリン配給制の中止を求める声が上がる一方、別の議員らからは同計画の迅速な実施を求める意見も出ている。他方、大多数の国会関係者は、国会が政府と協力する必要性を訴えている。
昨日、国会内の《団結と実践》派はガソリンの配給制ならびに二重価格制の実施に反対する立場を表明した。他方、国会内最大会派の《原理主義》派の中央評議会は、〔ガソリン配給制の実施を規定した〕法律の施行へ向け、政府と協調するよう呼びかけた。
▼ 政府には必要なだけの時間的猶予を与えるべき
国会の《原理主義》派の中央評議会の評議委員であるアフマド・ボゾルギヤーン議員は、昨日朝に開かれた同評議会の会議でガソリン配給制の実施について検討がなされたことを明かした上で、「ガソリン配給制の計画は大規模で複雑であるため、政府はさまざまな困難に直面している。そのため、政府には必要なだけの時間的猶予を与えるべきだというのが、原理主義派の考えだ」と述べた。
▼ 社会問題が起きる可能性も
国会の《団結と実践》派は、ガソリンの配給制ならびに二重価格制の実施に反対する立場を表明した。
同派のスポークスマンを務めるレザー・タラーイーニーク議員は記者団に対し、次のように述べている。「ガソリンの配給制、及び配給制で供給されるガソリン量を上回った分のガソリンについては〔補助金が適用されない〕自由価格で供給する計画〔=二重価格制〕に関して、専門的・現実的検討を行った結果、このような方法では、(特にインフレの影響により)ガソリン価格が〔二重化ではなく〕多重化したり、(ガソリンの闇市場が生まれたり、偽造カードが出回ったりするなどの)社会問題が生まれたりするなど、さまざまな経済的な問題・欠陥が生じる可能性があり、他の選択肢に比べてマイナスの影響が多いとの結論に至った」。
現在国会少数派に属する17名の議員は、セイエド・カーゼム・ヴァズィーリー=ハーマーネ石油相に対して文書による警告を発し、ガソリン配給制の迅速な全国実施を求めた。
▼ 政府に圧力をかけるべきではない
その一方で、国会のエネルギー委員会のアブドル・マジード・ショジャー議員は、「実施環境が整っていない以上、ガソリン配給制に関する国会決議の実施について、国会は政府に圧力をかけるべきではない」と語った。
同議員はさらに「法を施行するのは政府の責務であるが、しかし〔政府に〕時間的猶予を与え、〔ガソリン配給制実施へ向けた〕環境を整えることで、ガソリン配給制に関する国会決議がきちんと実施されるための準備を行うべきだ」と述べた。
同議員はその上で、「とはいえ、国民が宙ぶらりんな状態に置かれ、混乱をきたさぬよう、政府はガソリン配給制実施の正確な日時を公表すべきである」とも述べている。
アルダビール選出のハサン・ノウイー=アグダム議員もまた、国会審議前の冒頭演説の中で、「ガソリンの配給制に関して国会で可決された法律を実施するためには、作業の複雑さや、自動車や消費パターンの多様性を考えるなら、国政を預かる全ての者たち、特に国会が政府とともに方策を考え、知性を発揮し、協力し、協調することが必要だ」と論じた。
同議員は、国会議員たちや全ての行政機関、及びイラン国民に対して、同国会決議を望ましい形で施行し、望ましい結果をもたらすために、手に手を取り合って、政府と協力するよう求めた。
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( 翻訳者:斎藤正道* )
( 記事ID:11137 )