ファタハ支持者ら西岸に逃亡、ガザの故アラファート宅に放火
2007年06月17日付 Al-Ahram 紙
■ ファタハ支持者、西岸地区に逃亡 カッサーム軍団員がガザ市のアラファート宅に放火
■ アッバース大統領、ハマースのマシュアル政治局長との対話を拒否
■ PLOは調査委員会の派遣を拒否
■ ホワイトハウス:「我々はガザ地区の何千人もをテロ組織の温情にゆだねておくわけにはいかない」
2007年06月17日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、ワシントン:アースィム・アブドゥルハーリク】
昨日、ハマースが完全にガザ地区を掌握した後、比較的平穏な状態がガザ地区を覆った。ハマースが治安を確保し、混乱や治安悪化の現象を防ぐ決意であることを確認して、人々や自動車の姿が通りに見られるようになり、生活は徐々に日常へと戻り始めた。
その一方でハマース軍事部門のカッサーム軍団メンバー数人が、2001年以来放棄されていた元パレスチナ大統領の故ヤーセル・アラファート宅に昨日進入し、アラファートの私物や家具を略奪、寝室の一つに放火した。アラファートをファタハのシンボルとみなしてのことである。
またガザ地区では何百人にも及ぶファタハ支持者が、ガザ地区とイスラエルの境界線上にある通行所経由でヨルダン川西岸地区を目指し避難する光景が見られた。
同じ頃、イスマーイール・ハニーヤ首相はアッバース大統領による内閣総辞職の決定に抵抗を続けていた。大統領はサラーム・ファイヤード財務相に緊急事態政府の組閣を任じ、本日中にも新政府が発表される。それに対しハニーヤ首相は、タウフィーク・ジャバルをトップとするガザ地区警察最高委員会の組織決定を下した。
ハマース指導部のサーミー・アブーズフリー氏は、「テロ組織」ファタハがハマース・メンバーへの攻撃を止めなければ、戦闘は西岸にも飛び火すると脅した。またパレスチナ解放機構(PLO)は、ガザ地区における戦闘を調査する委員会を組織するというアラブ連盟の決定を拒絶した。
PLO執行委員会メンバーであるヤーセル・アブドゥラッビヒは記者団に対し、「我々はアラブの調査委員会を拒絶する。これは厚顔な内政干渉だ」と述べ、金曜日にハマースの政治局長であるハーリド・マシュアルが発したファタハとの対話の呼びかけをも拒絶した。アッバース大統領も同様に、マシュアル氏との対話拒否を表明した。
治安情報筋によると、ハマースの支援を受けて当選したパレスチナ自治評議会のハサン・フライシャ副議長が事務所から拉致されたが、評議会の報道官はそれを否定した。
また現在サラーム・ファイヤード元財務相は実務家中心内閣の人選にあたっており、アッバース大統領の顧問を務めるナビール・アムル氏は「新政権はこれまでより少人数となり、全パレスチナ人を代表するために、ガザからも大臣を入れるだろう」と述べた。
他方、アメリカ合衆国は、ハマースのガザ支配継続を許さないと述べ、激しくハマースを非難した。ホワイトハウスのスタンゼル報道官は「我々はガザの何千人もをテロ組織の温情にゆだねておくわけにはいかない」と語った。
(後略)
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:11177 )