世界記念物基金(WMF)の危機遺産リスト入りの「チュクル・ハン」、保存へ
2007年06月11日付 Milliyet 紙

「2008年、世界で最も危機に瀕している遺産100」リストに掲載され、注目を集めたアンカラのチュクル・ハンは、今後、保存され、アナトリア文明博物館の一部となる。

世界記念物基金(WMF)が作成した「2008年、世界で最も危機に瀕している遺産100」リストに掲載されたアンカラのチュクル・ハンは、ここ数ヶ月のあいだにアナトリア文明博物館の一部となる予定だ。

アンカラ要塞のすぐ前方の旧市街中心部にあるチュクル・ハンは、18世紀の建造物だ。この建物は、オスマン時代には刑務所として利用されていたことがわかっている。そしてまたアンカラにおけるオスマン時代のキャラバン・サライ(隊商宿)建築の実例として現存する数少ない歴史的建造物のひとつだ。

ワクフ総局が所有権をもつチュクル・ハンは、木造部分が全て腐敗し、またしばしばホームレスに使われてきたことから、世界記念物基金(WMF)により「2008年、世界で最も危機に瀕している遺産100」リストに入れられた。

■文化観光相「すべて承知している」

コチ文化観光大臣は、世界記念物基金と同基金作成のリストに関連するミッリイェト紙の質問に答え、このリストに掲載されたトルコのチュクル・ハン、ハサンケイフ、イスタンブルの城壁、聖母マリア教会、クズル教会が損傷をうけていることをよく知っていたと述べ、次のように語った。
「私はどの組織よりも先に気づいていました。世界記念物基金の主張は間違ってはいませんが、我々は努力しているのです。最も重要な建造物はイスハク・パシャ宮殿ではないでしょうか。我々はイスハク・パシャ宮殿に関して力を尽くしています。聖母マリア教会についても取り組んでいます。私はこの仕事を責任をもって行っていますが、もちろん世界記念物基金もこれらの遺産に気を配り、要求をしてくるでしょう。なぜならこれらの遺産は、私個人の所有物ではなく、世界の遺産だからです。これらの建造物を保護することは、私たちの義務なのです」

■文化観光相「まもなく始めます」

コチ大臣は、ワクフ総局が所有権をもつチュクル・ハンについて、文化観光省とアンカラ広域市役所との間で調印された協定に従って作業が進められることを示唆した。同大臣は、チュクル・ハンがアナトリア文明博物館の拡張計画のなかで修復されると述べ、アンカラ広域市から得た情報では、近々、工事が開始される予定だと語った。

こうして修復後にラフミー・コチ博物館に転用されたチェンゲル・ハン同様に、チュクル・ハンも未来に伝えていくとコチ大臣は述べ、ヨーロッパから博物館賞を受賞したことのあるアナトリア文明博物館も、周囲の歴史的建造物とともに美しく整備していくと説明した。

コチ大臣が触れたプロジェクトの枠組みのなかで、アンカラ広域市はチュクルジュラル・ヨクシュにある取り壊し予定の店舗の一部を買い取り、公営化した。また同プロジェクトでは、アンカラ上下水道局の貯水池のある用地がアナトリア文明博物館の敷地に加えられること、ならびにウルス・イルク・メジリス初等学校の歴史的価値のある校舎が新たに整備されることが決められた。

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( 翻訳者:トルコメディア研究2007 )
( 記事ID:11197 )