パレスチナでは、兄弟喧嘩が狂気の様相を呈するようになり、不安定な状況が続いている。マフムード・アッバース大統領に法に背いていると宣告されたハマスの武装勢力は、ガザ地区の支配を続けている。
本紙にコメントしたハマスのナンバー2マフムード・ザハル氏は、トルコに仲介役を務めてくれるよう求めた。周辺諸国が合意に至るために、トルコ政府が助力者となり得ると強調するザハル氏は、「飢餓や通商の禁止、ガソリンの制限によって追い詰められたパレスチナ人に対してトルコは支援することができる。グループ間の意見の対立という状況のなかで仲介役を務めることができるのだ。国際的な通商禁止の問題においてもパレスチナへの根拠の無い圧力を阻止することもできるのだ」と話した。
マフムード・アッバース大統領が解散させたハマス主導内閣で外相を務めたザハル氏は、アッバース大統領が対談を拒否し、ハマスを「血に染まったテロリスト」と定義付けたことに厳しい反発を示した。また「アッバース大統領はガザ地区で起きていることを教訓として学ばなければ、遅かれ早かれ西岸地区でも同じ事態に遭遇するであろう。」と警戒する。加えて、ザハル氏はアッバース大統領が制定した新政権は「正当なものではない」という見解をさらに繰り返した。同氏は選挙を含め、非常事態時の政権が取るいかなる決定には従うつもりはないと述べた。ハマスの指導者は「ファタハはPKK(クルド労働者党)よりも手に負えない」と表現し、ファタハの幹部は米国やイスラエルと同盟関係を築いていると明言した。ザハル氏は、「ハマスの背後にはイランがいる。」との主張を拒否し、ガザ地区にイスラム国家を樹立しようなどという計画はないと強調した。この間、この地区の最新の展開を受けて、エジプトを議長国として来週中東サミットが開催される。シャームエルシャイクで行われるこのサミットにはイスラエルのエフド・オルメルト首相やエジプトのヒュスニ・ムバーラク大統領、ヨルダンのクラル・アブドゥッラー国王、パレスチナのマフムード・アッバース大統領の参加が予定されている。四日間続く会議で中東の平和プロセスの再開が取り上げられる予定である。
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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:11212 )