カスピ海沿岸諸国外相らがテヘランで会合
2007年06月19日付 Hamshahri 紙

 カスピ海沿岸諸国の外相会談がホルダード月30日水曜日(6月25日)、テヘランで開催される。イラン、アゼルバイジャン、ロシア、トルクメニスタン、カザフスタンの5か国の外相が出席し、各国の見地を調整する。

 カスピ海がその沿岸諸国にとって重要性を持ち、特別な位置付けにあることは言うまでもない。イランは常にこのカスピ海をめぐる条約締結の当事者二カ国(訳者注:イランとソ連)のうちの一方であったが、今日では同国の4大州(訳者注:アルダビール州、ギーラーン州、マーザンダラーン州、ゴレスターン州)にカスピ海沿岸諸国の中でも最も多い人口を抱えている。

 カスピ海沿岸諸国の経済問題、特にエネルギー、漁業、貿易、輸送、航海の分野は様々な次元において、イランにとって特別なものである。これに加えてカスピ海は特に政治的・経済的特性に限って言えば、戦略的地域であるため、ソ連崩壊に伴って国際政治の舞台に登場し、一躍政界や国際関係学の注目を集めた。

●安全保障問題
 カスピ海沿岸諸国が諸外国の介入や第三国の存在によって軍事・兵器競争に巻き込まれるのは、単にこの一帯における問題を複雑にし、緊張や危機をもたらす要因にしかならない。そのため、イランは包括的な合意文書の作成や署名、履行のための沿岸諸国の協力を強調している。

信頼醸成や地域安全保障の確立により、軍事、安全保障、秩序の上での共通の脅威を取り除くこと、および、軍事的状況に関して調整し合うことは、最も実行力のあるカスピ海地域の安全保障の方法となるであろう。

●エネルギー問題
カスピ海のイラン海域で石油・ガスの開発が始まっていないことは、イランが開発権を放棄したことを意味するのではない。なぜならイランは、アゼルバイジャン共和国やトルクメニスタン共和国と、この問題について、見解の相違が完全に解消されない限り、当該地域においていかなる活動も行わないことで合意しているからだ。

 カスピ海沿岸諸国の懸案のひとつに、カスピ海で産出された石油・ガスの市場への輸送の問題がある。沿岸諸国の一部が内陸にあり、公海へ直接通じるルートを有していないことに注目すると、このことは輸送ルートの経済性の観点から、さらに、経済性の問題から帰結する政治的な観点から、特に重要な問題であると言える。

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( 翻訳者:中根敦 )
( 記事ID:11244 )