黒海経済協力機構(BSEC)の15年目のサミットでトルコとロシアはエネルギー協力に調印した。12カ国の大臣たちが参加し、イスタンブルで開かれたこのサミットでは、タイイプ・エルドアン首相とウラジミール・プーチン露大統領間の会談が実現したことが最も注目された。
チュラアン宮殿でのエルドアン首相とプーチン大統領の会談は、約45分間に及んだ。エネルギー分野をはじめとして、2国間の経済分野と政治分野での協力を継続させることを決定した2人の首脳は、地域問題についての対談継続も重視した。会談には、アブドゥッラー・ギュル外務大臣、アリ・ババジャン国務大臣、ヒルミ・ギュレルエネルギー天然資源大臣、セルゲイ・ラフロフ露外務大臣も参加した。
トゥルグト・オザル前首相が提唱した黒海経済協力機構(BSEC)は、昨日イスタンブルでのサミットで15周年を祝った。人口3億7千万人を有する地域に創設されたBSECのサミットはチュラアン宮殿で催され、12カ国から首脳や大臣クラスの人々が参加した。アルメニアの外務大臣も出席した。首脳たちを招いて昼食会を催したエルドアン首相は、「新しい地平線に帆を揚げるために必要な風をみんなで巻き起こしましょう。」と述べた。夕方に発表されたBSECサミットの最終報告でEUとの「戦略的な」関係を築くことが望ましいとされた。
タイイプ・エルドアン首相が昼食会で行った話の中で、この地域でおこっている政治的対立が経済協力や発展を前にして重大な障害となっていることに注意を促した。こうした問題が協力関係に影響を及ぼさないために、12カ国すべてが一緒になって努力する必要があるとしたエルドアン首相は、「今後我らが行うべき事は、この地域の豊かな可能性を活かすことにおいて、BSECがふさわしい組織となれるようにすることである。」と呼びかけた。エルドアン首相は、EUをはじめとしてBSECに貢献する国や様々な国際組織との協力関係をより発展させることが有益になることを強調した。ウラジミール・プーチン大統領はサミットで、「エネルギー市場に安定をもたらそう。安定にはエネルギー分野における協定の長期継続と拡大が含まれるのです。」と述べた。プーチン大統領は、エネルギー保障やエネルギー供給保障が、発展の最も重要な要素の一つとなるという考えを述べた。チュラアン宮殿のオスマンサロンで行われたエルドアン首相とプーチン大統領の対談でも、重点的にエネルギー問題が取り上げられた。首相府関係者によって会談についての会見がおこなわれ、「2人の指導者は両国の経済関係の現状には満足していると述べていた。エネルギー分野をはじめとして両国関係があらゆる分野でさらに発展し、この地域の問題において親密な協力関係を継続するということにおいて合意に達した。」と述べられた。プーチン大統領とエルドアン首相は約15分間直接対談した。ロシアが中央アジア諸国と次々と行っているエネルギー分野における合意により、トルコがヨーロッパへむけてのエネルギー回廊を築こうとする政策は危うくなってしまった。黒海沿岸の12カ国の首脳をイスタンブルに招いたトルコは、東西間で形成される新しいエネルギー回廊において積極的な立場をとろうと努力していることが明らかとなった。専門家も、ロシアがトルコとのエネルギー協力関係に、少なくとも他の国々と同じほどの重要性を示していることに関心を寄せている。
12カ国の首脳が集まる前の午前中に、外務大臣たちは特別会合で一堂に会した。アブドゥッラー・ギュル外務大臣がここで意見を述べ、「政治的対立が経済的社会的関係の進展に障害となるのを許してはならない。」と呼びかけた。ヴァルタン・オスカンヤンアルメニア外務大臣は「この美しい都市にいることは我々をいつも幸せにしてくれる。」という言葉で語り始め、「黒海は我々を何百年もの間ひとつにまとめてきて、今また黒海を仲介として我々はお互い話し合いの場にいるのです。そして我々はこの機会を価値あるものにしなければならない。しかしながら時に、水量があまりにも深いため、(海に漕ぎ出すことを)考えるまえに海岸にとどまることを選んでいるのです。」という表現を用いた。
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:11249 )