ディンク暗殺事件の初公判、開始へ -未解決の疑問とともに
2007年06月30日付 Radikal 紙

フラント・ディンクは、1月19日に、彼が総編集長を務めるアゴス新聞社の前で3発の銃弾により殺害された。時間の経過とともに、暗殺の詳細が明らかになることが期待されていたが、月日が経つにつれ疑問は段々と増え続けている。
取り調べのため12人が拘束された。しかし容疑者らの裏のつながりは未だ明らかになっていない。ディンク殺害の裁判は多くの疑問を抱えて月曜に始まる。
ディンクが殺害されて後、ディンクのためにと集まっていた人々は、月曜日に「我々は皆、目撃者だ。公正を望む」と書いた横断幕を持ち、ベシクタシュの法廷前にたつ予定である。
ディンク殺害の裁判では、7月2日の月曜日に12人の逮捕者と6人の被疑者、計18人の刑事被告が裁判官の前に出る。注目すべきは「殺害の主犯」であるヤスィン・ハヤルと、「法廷で話す」と述べた警察への情報提供者、エルハン・トゥンジェルである。射殺犯のO.Sは18歳未満のため「非公開審理」が行われる。刑事被告らと弁護士、ディンクの遺族以外は、誰も審理の場に入ることはできない。この裁判の成り行きを、国内外の多くの新聞記者が法廷の庭で見守ることになる。アゴス紙、ヘルシンキ同胞協会、ビルギュン紙、トルコペンクラブ、国際ペンクラブは、調停役として参加できるよう法廷に申請することになっている。ディンクの遺族を代表するために、500人を超える弁護士から申し込みがあった。イスタンブル第14重罪法廷の要請で、法廷内外に厳重な警備体制が敷かれるだろう。

■著名人、ユーチューブのビデオクリップで呼びかける

審理開始を知らせるため、新聞記者、アーティストと有識者らが出演したビデオクリップが用意された。ユーチューブで放映されたクリップにはジャン・デュンダル、オウズ・ハクセヴェル、アイシェ・オナル、デニズ・アルマン、ケナル・ウシュク、アルマーン・チャーラヤン、ヤヴズ・ビンギョル、ハレ・ソイガズィなどが、「兄弟愛を忘れないため」、「もはや勇気を持たねばならないため」、「心からの笑みを取り戻すため」と語り、審理に注目するよう呼びかけている。

■「ウムラニエと関係があり得る」
ディンクの遺族の弁護士の一人、フェトヒイェ・チェティンは、昨日記者会見を行い、殺害から今日に至るまでの経過を説明した。
予審は、殺害が計画された場所に(関することに)限定され、殺害が行われた場所との関係、それらの繋がり、そして組織のここにいるメンバーらに関してはふれられなかった。このため、取調べには重大な欠陥がある。殺害が計画されたトラブゾンで、殺害現場のイスタンブルで、そして情報が収集されたアンカラで、警察官らによる情報の悪用、証拠隠匿さらには犯罪者への賞賛行為が明らかになったが、これらの警官らは裁判に召喚されていない。」
チェティンは、ウムラニエで逮捕された爆弾犯らと、ディンク殺害の間に繋がりがあるかどうかとの問いに対して、「これははっきりと言う事ができる、この殺害が計画される過程で、特にこの種の組織との何らかの繋がりを考えることはできる。その上、爆弾所持で捕らえられた元軍人のオクタイ・ユルドゥルムが、フラント・ディンクの審理に来て、調停人となっていたのだ」と語った。
ディンク捜査で、66人が取り調べを受け、内12人の逮捕者を含む18人の容疑者について、裁判が開かれた。エルハン・トゥンジェルとヤスィン・ハヤルに対して「ディンクの殺害を煽動したとして、刑が重くされ無期懲役、18歳未満の射殺犯O.Sに対しては、8年半から24年の懲役が求刑されている。

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:11280 )