15歳のビュシュラさん、59日間でコーランをすべて暗誦
2007年07月09日付 Zaman 紙

ギュムシュハーネ県のケルキット郡にあるクズルジャ村に住んでいるビュシュラ・ムトゥル(15)は、コーランを59日で暗誦するという偉業を成し遂げ人々の注目を集めた。

2006年9月にコーラン学校に登録したビュシュラの記憶力がいいことに気づいた先生たちは、彼女がハーフズ(訳者注:コーランをすべて暗誦した人)になれると才能を見込んだ。それが契機となり2007年4月14日に暗誦を開始したビュシュラは、コーラン教室の先生の指導のもと、暗誦術を使って、59日後の2007年6月12日に暗誦を完了した。この偉業を周りの人々に分かってもらえなかった先生たちは、ケルキット郡宗務局の担当者と面談し、ビュシュラの偉業を登録させた。

コーラン教室を担当するハティージェ・シャーヒンは、ビュシュラを短期間でハーフズにするために多大な努力をしたが、同教師の使った技法は誰にでも適応できるものである。ウルダー大学神学部大学院を卒業したハティージェ・シャーヒンは、2006年9月に契約のコーラン教師として任務に就いた。シャーヒンは自分が暗誦した時に使った方法を基に、59日でどのようにハーフズになれるのかを簡単に以下のように述べている。

「自分自身がハーフズであり、忘れることへの不安感から、大学時代に記憶力を強化するために暗誦術に関する研究をしました。そして、効果があることが分かったのです。まず初めは、同じ方法で私の3人の学生が4ヶ月間でコーランを覚えハーフズになりました。」

その方法を採用してから、1ページを1時間半で覚えていた生徒が同じ量を10分で覚えるようになったと強調するシャーヒンは、「この方法は、学生のためだけのものではありません。働いている人にも適応できます。59日では覚えられないかもしれませんが、5、6ヶ月程度で簡単にコーランを覚えることができると確信しています。」と話した。

採用したプログラムには週1回、映画、旅行、ピクニックの時間も含まれていると述べるシャーヒンは、社会活動を取り入れることにより、楽しんで学ばせることができ、それが成功をもたらすと説明した。

同教師はさらに、コーラン教室に通う学生の親とも面談し、子供たちが学校外で高校卒業程度の学力を身につけるための先駆者になり、文学から物理、歴史から英語まで様々な分野で学生の学力を補っている。

偉業を成し遂げたことに驚いているビュシュラ・ムトゥルは、「こんな偉業を成し遂げるなんて思ってもみませんでした。でも、先生が用意してくれたプログラムと先生の支え、アッラーの授けて下さった幸運のおかげでやり遂げることが出来ました。私の姉もハーフズですが、彼女は暗誦するのに2年間かかりました。私の夢は、医者になって自分の才能をその分野で発揮することです。」と述べた。


■記録をぬりかえた暗誦術はどのようなものなのか?

まずコーランの章を簡単なものから順番に並べる。そして、1ページを3つに分ける。まず5行覚えて、その後残りを5行ずつ覚える。さらに、全体を通してもう一度覚える。次に2ページ目に移り、同じ方法で覚える。それから、1ページ目と2ページ目をもう一度通して暗誦し、この一連の作業を 10ページ分続ける。その後覚えた分を3人に聞いてもらい、正しく暗誦できれば次の10ページに進む。同様に次の10ページも覚え、始めの10ページと合わせて暗誦し、次は4人に聞かせる。こうして、20ページ覚えたことになる。

■栄養士のところにまで行った

暗誦術について、ウルダー大学の教授からも協力を得たと話すハティージェ・シャーヒンは、「ビュシュラのために栄養士のところまで行きました。成功するためには、バランスよく栄養を取ることが条件です。」と述べた。また同教師は、宗教用語で「カイリュレ」と呼ばれる昼間の睡眠も、どれだけ効果があるか自分で試してみたと述べた。


■一日のプログラム

朝5時に、前日覚えた部分を先生に聞かせる。その後、次に進む。昼寝の時間まで3時間45分の練習。1時間睡眠を取った後、また練習。夜の繰り返しの時間まで4-5時間練習。その後、その日覚えたものを繰り返して、床に就く。次の日も同様に一連の作業を続ける。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:11349 )