ギーラーンの夜にご注意!:数百名が「ドラキュラ」の被害に
2007年07月12日付 Iran 紙

 気温が高くなり、湿度が比較的上昇するのと時を合わせるかたちで、「ドラキュラ」(訳注)による《夜の襲撃》に遭う人々がギーラーン州各地で発生、被害者の数は数百名に及んでいる。

 この小さな節足動物は、温暖で湿度の高い地域の《虫の王》として知られている。体内に毒があり、天敵となるものがいない。鳥でさえも、この虫を捕食しようとはしないほどだ。

 「ドラキュラ」虫は、橙色の虫で、体内に「ペデリン」という毒がある。この虫は刺激を受けると外皮に毒を分泌し、〔それに触れると〕激しい痛みやズキズキ感、かゆみを伴う水ぶくれを起こす。この虫の毒による水ぶくれ症状の改善にはこれといった治療法がなく、ただ消毒薬や痛み止めの軟膏を使用し10日から1ヶ月間耐えなければならない。

 この虫は皮膚を刺すのではなく、静かに皮膚の上を動きながら、有毒物質を皮膚に付ける。



(訳注)この記事で言及されている「ドラキュラ」とは、アオバアリガタハネカクシのことであると思われる。節足動物門昆虫綱コウチュウ目ハネカクシ科の毒虫。南北アメリカ大陸を除く世界に広く分布し、湿気のある土壌を好む。夜間、光に誘引されて集まってくる虫で、この虫が体に止まった時、毒物質ペデリンを含む体液が分泌され、それが付着した部分が水ぶくれになる。付着後2時間ほどしてかゆみを感じ、発赤、水ぶくれを生じ、やがて火傷をした時のような痛みに変わる。なお、この昆虫が生息するギーラーン地方は、日本の本州と似た気候で、稲の栽培も盛んであるが、この昆虫は稲の大害虫であるウンカやヨコバイを好んで捕食するため、農業にとっては益虫である。

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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:11385 )