ムーラ県ミラス郡のオレン海岸が死んだ魚で埋め尽くされてしまった。オレン市の観光協会教育・健康財団(ORVAK)の養魚所で、80万匹のボラとブリーム、70万匹のバスが3日間で死んでしまった。
ケメルキョイの火力発電所から500メートル離れたところにある養魚所の魚ばかりでなく、発電所とオレン港の間の5キロメートルにわたる海岸線でも、何千もの死んだ魚が海に浮かんでいた。
ORVAK会長で共和人民党所属のオレン市長キャーズム・トゥラン氏は魚の大量死は発電所が原因であるとし、次のように語った。「ムーラ大学水産学部に死んだ魚のサンプルを送った。魚は塩素濃度が高すぎる海水のために死んだことがはっきりした。発電所では海水が、冷却時に使用されている。機械に海藻がつかないように、水に塩素を加えている。塩素が混じった海水はその後再び海に戻されているのだ。過度な塩素が用いられているのだ。オレンにはもう生きた魚はいなくなってしまった。」
トゥラン氏は養魚所では6ヵ月前まで近くの貯水池の水と海水を使用し、貯水池の水が干上がったのですべてを海水に切り替えたら、魚の大量死が始まったことを強調した。200万YTL(約1億9600万円)の損失がでたので、火力発電所を訴えるつもりであると述べた。
30年間漁業を営んでいるヒュセイン・バユル氏は、戸惑った様子で、「1994年に発電所が建設されてから魚が死に始め、徐々にその数が増えていった」と語った。
■おなかが膨れ、えらが裂けた魚
サルンチュ・アクビュク水産協同組合の組合長であるメフメト・エルジャン氏は、「漁師たちや観光船の乗組員たちは毎日ギョコヴァで、半ばうつろな目で、おなかが膨れ、えらが裂けて死んだ魚をみている」と述べた。それをうけ発電所の所長であるオスマン・フェラーフ・アルトゥナイ氏は発電所と魚の死を関係づける証拠はないとし、次のように語った。「13年間休まず稼働し続けている発電所が、過度に塩素を使用したため魚が死んだとは思っていません。用いる塩素比率は海水に含まれる塩素比率を超えるものではありません。さらに国家機関が行う予定の調査に沿えば、議論はより正しいものとなるのです。養魚所には海水だけではなく、貯水池からも水がひきいれられていました。それが有害だったかもしれません。その可能性もあります」。この件に関する調査が始まった。
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( 翻訳者:石丸由美 )
( 記事ID:11420 )