大統領選挙の過程で生じた展開ののち、息を詰めて待ち望んでいた7月22日の総選挙は、政権党の公正発展党(AKP)が得票を増やし、明確な差をつけて第一党となる結果となった。
4253万7305人の有権者が登録された選挙で、「共和国集会の」意気込みで選挙に臨んだ共和人民党(CHP)、単独政権を形成するとの主張を唱えた民族主義者行動党(MHP)、得票率の足切りを越えるのは問題ないとした民主党(DP)、無所属候補を合わせた全投票率は、公正発展党のそれに達することができなかった。
世俗主義を焦点とした議論、政権を担った時期に一定分支持を失ったゆえに、得票の減少が見込まれていた公正発展党は、アンケート結果を正しいものとして、最終ではない現時点の結果によれば、46%を超え、政権担当第2期目についても単独政権となる権利を手にした。
2002年11月3日の前回総選挙で公正発展党とともにトルコ大国民議会に選出された唯一の党である共和人民党は、得票数を大幅に増やせず、再び第一野党の座にとどまった。民族主義者行動党は、5年ぶりに議会に復帰した。
■ 公正発展党の勝利
先の総選挙で34,43%の得票率を得た公正発展党は、得票率を47%に近づけ、続く5年間も単独政権を担う権利を手にした。341の国会議員を擁して議会にのぼると予想される同党は、大統領を単独で選出するのに必要な367議席に達することはできなかったが、長年達成できなかった高得票率にのぼった。
同党は、この結果により、2004年3月28日に実施された統一地方選挙で得た41%の得票率が、一時的なものではないことを明らかにした。
■ 集会の意気込みは十分ではなかった
アンカラのタンドアン広場、イスタンブルのチャーラヤン広場、イズミルのギュンドアン広場で参加者の規模で記録的となった集会でえた意気込みで選挙に臨んだ共和人民党は、昨日期待した結果を得られなかった。公正発展党に対し、共和人民党の周辺で団結を呼びかけ、共和国集会の影響で全体として得票を増すと期待された同党は、望んだ飛躍を遂げることができず、前回選挙で得た得票を僅かに伸ばした。前回は19,41%であり、今回世論の呼びかけに沿って民主左派党(DSP)も支援したにもかかわらず、20,8%にとどまった。
前回の選挙で177の議員を送り出した同党は、最終ではない現時点の結果によれば、今回112名の議員を送り出す。
■ 民族主義者行動党、8,3%から14,4%へ
「単独政権」へとのスローガンとともに選挙を開始した民族主義者行動党は、この目的には届かなかったが、公正発展党に次いで得票を大きく伸ばし、2002年以来、公正発展党と共和人民党が登院していた議会に第3党として進む。
同党は、前回の選挙で足切りにかかった8,35%から得票率を大幅に増やし14,3%の票を獲得した。選挙期間中、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と特にテロ組織クルド労働者党の指導者アブドゥッラー・オジャランの死刑に関して激しい討論を行ったデヴレト・バフチェリ党首は、最終ではない現時点の結果によれば、5年ぶりに議会に70名の議員を率いて議会に進む。
■ 民主党ではスピード辞任
民主党党首メフメト・アアルは、総選挙前には同党には足切りは問題ではないと主張し、足切りを越えない場合に辞任を表明しており、約束通り、速報結果が伝わったすぐ後で辞任した。祖国党と合同して勢力獲得を望んだ同党首は、合同が不首尾に転じた影響でその座からおりた。前回の選挙で議会進出を寸でのところで逃した正道党は、民主党として望んだ今回の選挙で大敗し5,4%にとどまった。
■ スローガンが十分ではなかった
前回選挙で新規結党にも関わらず、7,3%の得票を得た青年党(GP)は、悲嘆を被った。党首ジェム・ウザンの公約により悪い印象を植え付けた青年党は、3%の得票を得た。
ネジメッティン・エルバカンの支援で公正発展党から票を奪おうと目指した至福党(SP)は、期待した結果を得られず、公正発展党に奪われた支持基盤に影響力を行使できず、2,3%の支持を得た。
■ 民主市民党(DTP)も敗北
選挙に61名の無所属候補で臨んだ民主市民党は、議会で会派を形成する数の議員を輩出することに成功した。ただ議会に23名の議員を送り込むことを期待された同党の総得票は、ほぼ半数に減少した。前回選挙で民主人民党(DEHAP)の名の下6,4%を得た民主市民党を代表する無所属候補たちは、凡そ3%の得票を得た。同党は、東部、南東部の有権者の相当部分を公正発展党に奪われた。
共和人民党、民族主義者行動党、青年党、民主党、至福党と無所属候補の総得票を越えた公正発展党は、選挙の圧倒的な勝者となった。
■ エルドアン、「退く」と発言していた
エルドアン首相は、今回の選挙前に単独政権とならなかった場合、「政治から身を引く」と表明していた。首相は、共和人民党と民族主義者行動党両党が単独政権となると主張していたのを指摘し、自身の表明と同じことするよう各党首デニズ・バイカルとデヴレト・バフチェリに呼びかけた。
■ 今回は17%が死票
前回選挙で得票率10%の足切りの影響で、有権者の45%が死票となった議会の数字は昨日の選挙では変わった。最終ではない現時点の結果によれば、有権者の選択は、今回より高い割合で議会に反映した。
投票した有権者の83%が選択した公正発展党、共和人民党、民族主義者行動党、民主市民党支援の無所属候補が、議会に進む権利を得た。投票に参加した有権者の17%は、議会に議員を送り込む機会に恵まれなかった。民主党、青年党、至福党と他の8政党は、得票率10%の足切りを越えられず、議会に進むことができなかった。
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( 翻訳者:清水保尚 )
( 記事ID:11459 )