公正発展党の北イラク政策、南東アナトリア地方で得票数伸ばす
2007年07月24日付 Cumhuriyet 紙

大統領選挙で「不当な扱いを受けた」役割を演じ有権者の支持を得た公正発展党は、トルコの全選挙区において投票率を伸ばし、8県を除くすべての県で第一政党となった。大統領選での態度によって党運営に反発した民主党(DP)と祖国党支持者が公正発展党へと向かうのが見受けられる一方、若い投票者は投票選択を公正発展党や民族主義者行動党とした。

7月22日の選挙で、中道右派がまさに「大敗北」となる一方、左派も行き詰まりをみせたことが注目を集めた。共和人民党は票を必死で守る一方で、前回の選挙で国会議員を輩出したディヤルバクル、マルディン、トゥンジェリを含め東部ではほぼ完全な敗北を被った。イズミル、テキルダー、クルクラーレリ、ムーラ、エディルネ、トゥンジェリで第一位政党となった共和人民党は、東部アナトリア、南東アナトリアではアドゥヤマンとアルダハンのみで各一議席を輩出できた。トゥンジェリでは無所属候補が有力であったため議員を輩出できなかった。共和人民党が票を失うこととなった基本的な原因としては、新しい地方政策を打ち出せず、有権者と見解を一致できなかったことが挙げられている。

公正発展党も今回の選挙で最大の選出となったのは東アナトリアと南東アナトリアであった。公正発展党が約60%の票を獲得したことが注目を引く中、得票が増加した原因としてこの政党が選挙前に軍部(の要求)にもかかわらずイラク北部への作戦行動の措置で抵抗し、地方住民の反発を受けない政策(を採ったこと)にあったと注目されている。タリーカ(教団)が勢力をもつ地域では、教団の指導者たちが有権者を公正発展党に向けさせ、識字能力がない有権者が民主市民党(DTP)の無所属候補に投票する件で十分な組織にできなかったことも、公正発展党の票数に良い影響を与えたことが注目された。

2002年の選挙で9.54%の票数を獲得した正道党(DYP)は、民主党の名で臨んだ今回選挙で5.4%へと落ち込んだ。選挙に参加しなかった祖国党は2002年の選挙で5.13%の票を獲得していた。この2党が失った凡そ10%の票は相当部分が公正発展党へと流れたことが推測される。若い有権者の一部が公正発展党を選んだことが、この政党の票数増加が12%にのぼったものと注目されている。

青年党(GP)も今回の選挙で最も痛手を負った政党のうちの一つとなった。有権者は青年党党首のジェム・ウザン氏の公約に「現実味」を見いだせず、約5%の票は民族主義者行動党に流れた。民族主義者行動党は、青年党とともに、初めて投票へ行った若い有権者と、(前回の)11月3日の選挙で選挙に参加しない「不機嫌な有権者」の回帰で、票を約2倍に伸ばしたにもかかわらず、期待された「激増」を果たせなかった。民族主義者行動党を喜ばせたのは、勢力のないイズミルで4議席を獲得したことであった。民族主義者行動党は、イスタンブルとアンカラでも4議席を獲得した。

民族性を基盤とした政治を行う民主市民党は、10%の得票率の足切りを、「無所属候補」となって越え、13年の時を経て議会で議員となることができた。民主市民党所属の合計27名の国会議員が無所属で議会へ入る。結果を見てみると、テロとヘーゼルナッツについての批判が投票に反映しなかったと見られる。

■ 国会へ48名の女性

新しい国会には女性議員の数が2倍となった。合計49人の女性国会議員が選ばれた。女性国会議員のうち28人が公正発展党から、10人が共和人民党から、8人が民主市民党から、2人が民族主義者行動党から国会へと入った。

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:11468 )