本の紹介:『歴史への回答』
2007年07月26日付 E'temad-e Melli 紙
西洋世界は東洋の文化・文明への絶え間ない攻撃において、あらゆる可能性を利用している。
世界の映画制作の中心地ハリウッドは、反イラン計画の一環として、〔反イラン映画としては〕第2作目となる映画を制作し、それは今年上旬に上映された〔訳注:映画『300』を指す〕。そもそもの始まりからして、アメリカの諜報機関の存在が明白なこの映画に対しては、国内外のイラン人から激しい反発が引き起こされてきた。
自らの国民アイデンティティに特別の誇りを感じているイラン人は、この映画〔『300』〕が〔反イラン映画の第1作目である〕映画『アレキサンダー』と同様に、監督の主観的な想像をもとに作られたものであり、歴史的な根拠は何もないという点を証明しようと、多大なる努力をしてきた。このような中、映画の内容を問題にし、同映画があらゆる倫理的・歴史的基準に反しているとして批判したアメリカ人イラン研究者や作家も多かった。
イランでも、イラン人作家、特に文化人や祖国の過去の歴史に思いを馳せる人たちはペンを握り、イラン国民ならびにその誉れ高き歴史に対してこの映画でなされた歪曲や侮辱について、あらゆる機会を捉えて指摘してきた。
『歴史への回答』は、歴史・古代史の観点から映画『300』の歪曲に対して回答を試みる、数十冊にも及ぶ著書のうちの一つである。
この本の著者ファールーグ・サフィーザーデ博士は、様々な角度から映画『300』の分析・検討を行い、さらに古代から現在まで残っている多くの歴史資料を使って、この映画の作者や監督の侮辱・中傷への回答を試みている。
「イランは世界の頂の上で輝く太陽」、「イラン高原は今日の世界の文明の揺りかご」、「イラン文化・文明の世界への伝播」、「古代ペルシアの芸術と芸術活動」、「7万5千年〔7500年の誤植か?〕の歴史を有する古代ペルシアの農業」・・・などのタイトルが、この本の目次に並んでいる。
本書はイラン暦1386年〔2007年〕、アパダナ出版より刊行された。
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( 翻訳者:渡井さぎり )
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