専門家会議の次期議長をめぐる憶測、飛び交う:ラフサンジャーニーが最有力候補であることのこれだけの理由
2007年08月01日付 Sharq 紙

【政治部:メフディー・タージーク】宗教指導者、非宗教指導者を問わず、イラン・イスラーム共和国の中枢で活躍する指導者らは、本日(8月1日)〔イランのシーア派宗教学の中心地である〕ゴムで、〔7月30日に亡くなった〕アーヤトッラー・メシュキーニーの遺骸を前に祈りを捧げる予定だ。しかし、亡き最高指導者専門家会議議長の後継者が誰になるのか、そこに彼らの関心は集中することになろう。

 アーヤトッラー・メシュキーニーの後継者が誰になるのか、専門家会議の次の議長を誰が担うのか、今のところ誰にも分からない。その一方で、アーヤトッラー・メシュキーニーの葬儀が行われる前から、後継者選出をめぐる憶測はすでに始まっている。
 
 専門家会議には卓越した宗教指導者らがおり、同会議の議長選出は本来、イスラーム共和国の政府関係者らの間に大きな懸念を引き起こすようなものであってはならない。しかし他方で、専門家会議の次の議長の候補者に関して、さまざまな憶測がメディアのあちらこちらで持ち上がっており、このことはさまざまな憶測に政治諸派の思惑が介入していることを示している。

 政府に近い通信社のひとつであるファールス通信は、昨日の記事において、専門家会議の次の議長となりそうな候補者の検討を行い、議長のイスに最も近い者から順に、モハンマド・ヤズディー、ハーシェミー=シャーフルーディー、モハンマド・モオメン、ハーシェミー=ラフサンジャーニーらの名を挙げた。

 ファールス通信はその中で、ゴム講師協会での過去の豊富な経験により、議長としての職務を担うことが十分可能であるとの分析に基づき、モハンマド・ヤズディーの名をトップに挙げている。さらに、イスラーム政府の運用のあり方をめぐる議論に関心を払ってきたことに加え、ゴムの多くのウラマー層から受け入れられる人物であるとして、司法権の前長官である同師に言及している。

 同通信はまた、次期専門家会議議長候補として、アーヤトッラー・ヤズディー〔原文ではシャーフルーディーとあったが、誤植であると判断した〕に続いて最も名前が挙がっている人物として、マフムード・ハーシェミー=シャーフルーディー、アフマド・ジャンナティー、モハンマド・モオメンら取り上げている。そして分析の最後でやっと、アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニーの名に言及している。ファールス通信はこうすることで、同師が議長候補としては最下位であることを示唆するのである。

 ファールス通信は専門家会議議長のポストを獲得しそうな候補者たちに関して、以上のように分析しているが、その一方でイランの多くの政治アナリストらは、さまざまな理由からハーシェミー=ラフサンジャーニーをアーヤトッラー・メシュキーニーの後継として、考慮に値する特質を備えていると評価し、第四期専門家会議の議長候補者の最有力候補であると考えている。

 ラフサンジャーニーの名がアーヤトッラー・メシュキーニーの後継者の最有力候補として推されているのは、同師の専門家会議での長い実績と、アーヤトッラー・ハーメネイーとの古くからの親交にその理由がある。

 アーヤトッラー・メシュキーニーの存命中、ハーシェミー=ラフサンジャーニーは第四期専門家会議で副議長を務めていた。また同師は、イスラーム共和国の政治機構において、特別な地位と立場を占めてきた。そのため同師は、イスラーム共和国の基本的な意志決定のヒエラルキーにおいて常に影響力のある存在感を示し、戦略的な方向性を決定することができる数少ない宗教指導者の一人であり続けてきた。

 またラフサンジャーニー師は、その特別な地位のために、公益判別評議会発足当初より同評議会の議長職を担っている。さらに同師は、8年間にわたって行政府の長〔=大統領〕としての経験も有している。もちろん、再び大統領職を手に入れることは叶わなかったが、今や政界の酸いも甘いも嚙み分けた一宗教指導者として活躍している。それゆえ、同師こそが最高指導者専門家会議の舵取り役として、もっともふさわしい人物のように思われるのだ。

 第四期専門家会議選挙での同師の高い得票率(テヘラン州選挙区の他の候補者たちのいずれよりも高い、128万6千票を獲得)は、有権者らも専門家会議で同師がこれまで占めてきた地位をしっかりと認識していることを示すものである。

 他方で、しばしば政界においても耳にする一般に信じられている考えでは、ハーシェミー=ラフサンジャーニーは常に二番手にいることを好み、議長やトップの人物になることを望んでいないとも指摘されている。

 たとえこのような一般に信じられている考えが、ときに事実に近いことがあるとしても、最高指導者専門家会議には他の政治機構とははっきりと異なる点が存在する。すなわち、同会議はトップレベルの宗教指導者が集う特殊な会議である、というこだ。それゆえ、ラフサンジャーニーが同会議の議長の席に座る様子は、実に魅力的である。

 その一方で、イランの今日の政治空間には、体制の基本的な意志決定におけるラフサンジャーニーの役割強化を好ましいものとはせず、幾度となく同師を政界から引退させようとしてきた者もいる。彼らは今回、最高指導者専門家会議議長の候補者分析において、同師の名を隅に追いやることで、同会議の副議長であり、第四期専門家会議選挙においてトップ当選を果たした人物が、アーヤトッラー・メシュキーニーの後継者の最下位候補であると示唆しようと目論んでいる。

 そのような考えを目論んでいる者の中には、〔最強硬派の〕メスバーフ=ヤズディーの名を専門家会議議長候補に挙げ、例の〔強硬な〕思想路線を最高指導者専門家会議において推進し、自らの政治的戦線を強化させようと試みる者も存在する。

 このように政治的、党派的色彩を帯びた憶測が一部でなされてはいるが、アーヤトッラー・メシュキーニーの後継者を実際に選出するのは、来月開かれる会議にて意中の候補者に投票を行う予定の86名の専門家会議議員らである。彼らの投票によって、現在ささやかれている憶測の真偽が明らかにされるであろう。

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参考記事(護憲評議会、専門家会議選挙への立候補資格認定の結果について説明)

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:11552 )