アフマディーネジャード大統領、上海協力機構会議にオブザーバ参加するためキルギスタンを訪問
2007年08月16日付 E'temad-e Melli 紙

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は上海協力機構会議への、自身二回目となる参加を果たした。

 大統領は地域歴訪の旅の最後の訪問国として、上海協力機構首脳会議の開催地キルギスタンに足を踏み入れた。アフマディーネジャード大統領はまた、7回目となる同首脳会議に参加する他、ロシア、中国、パキスタン、タジキスタン、キルギスタン、及びウズベキスタンの各国首脳らと個別に会談・意見交換する予定だ。

 本日ビシュケクでは、上海協力機構首脳会議の開催に加えて、同機構加盟各国の安全保障関連の責任者らによる会合や外相らによる会議も開催されることになっている。こうして、上海協力会議の加盟各国のホスト国となっているキルギスタンの首都ビシュケクは今日、同国独立以来、政治的に最も歴史的な日を迎えているといえよう。

 上海会議は最も重要な会議の一つであり、中国やロシアは特別な関心を抱いている。またアメリカも、同会議の推移を注意深く追っている。上海会議は経済的にも政治的にも、また安全保障的にも、各国にとって特別な位置を占めている。この会議へのイランの参加は、イランもまた同機構の加盟国と同様に、地域が〔外交などさまざまな場面で〕同一歩調を取ることを目指しているという点で、重要である。上海協力機構会議への参加は、イランの〔政策上の〕目標達成の一助となりうるのである。

 2004年、モンゴルはオブザーバとして同会議への参加を果たし、次の年にはパキスタンやインドとともにイランが、モンゴルとの協力により、オブザーバとしての資格を同機構加盟国に認められている。アフガニスタンもまた、これまでオブザーバとしての地位にとどまっており、同会議への正式加盟を果たせていない。

 イランの機構加盟への同意を取り付けるべく、2005年マフムード・アフマディーネジャード大統領は我が国の大統領としては初めて中国を訪問、上海会議に出席することに成功した。そして今日が、イラン大統領の上海会議への出席としては、2回目となるのである。

 上海協力機構は、政府間協力のための会議で、1996年に5カ国の参加によって産声を上げた。この年、中国とロシアがカザフスタン、キルギスタン、及びタジキスタンとともに上海で開いた会議で、各国の国境地帯における軍事的信頼を深めることを目的とした条約が調印され、それに基づいて「G5」という名称の機構が発足した。この機構は5年後、ウズベキスタンの加盟を受け容れ、「G5」から「上海協力機構」へと名称変更した。

 上海協力機構は、平和と安定を確立し、政治・経済・文化・エネルギーなどの分野での政府間協力を加盟各国に促すことを目的としており、さまざまなレベルで、公式活動を行っている。上海協力機構の首脳会議は毎年開かれており、またそれ以外にも外務や経済、運輸、文化・教育、国防、安全保障などを担当する閣僚らによる会議も折を見て開かれている。

 加盟各国間の経済協力や文化交流の拡大も、上海協力機構のもう一つの目的である。上海協力機構に参加している国の中には、一方でロシアやイランといった世界最大級の原油産出国があり、他方で中国やインドといった〔エネルギーの大量〕消費国がある。このことは、加盟各国間での経済関係の強化やエネルギーの生産=消費市場の拡大を促すであろう。

 上海協力機構の参加国は、アフガニスタン攻撃と中央アジア諸国への軍事拠点の設置によってさらに拡大した西側、特にアメリカの地域における軍事的プレゼンスに対して、不快感を示してきた。そもそも中国、ロシア、タジキスタン、カザフスタン、キルギスタンの五カ国が上海に集まったのも、これらの国々に対する西洋の扇動や干渉について共有されていた懸念の解消を模索することが目的であった。

 当時中国はチベット問題を抱え、ロシアは新たに〔ソ連から〕独立した共和国をめぐる問題にかかずらっていた。またその他の国々も、同様の問題に苦しめられていた。そのような中、アメリカは地域の不安定化を通じて、自らの影響力の浸透を目論んでいた。ヨーロッパ諸国も、アメリカのやり方を強化すべく、東へのNATOの浸透・拡大を追求していたのである。

 上海協力機構は今年のティール月18日〔7月9日〕に、ロシア、タジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、そして中国の各外相による外相級会合をビシュケクで開催している。その中でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、今日ビシュケクで開かれる上海協力機構首脳会議では、上海協力機構加盟各国間の善隣友好関係や協力原則に関する条約が調印され、ビシュケク声明が採択されると言明していた。

 この声明では、世界情勢に対する上海協力機構の立場が反映される予定であり、ラブロフ露外相によれば、ポーランドとチェコにミサイル防衛システムを配備するとのアメリカの決定は、ユーラシア地域に対する脅威であるとして言及されるという。

 ラブロフ外相はまた、〔先の外相級会合の中で、〕イランが上海協力機構のあり方に共鳴していることを評価し、同機構に加盟している各国の外相に対して、オブザーバとして参加しているイラン及びその他の国々の同機構への参加を前向きに検討するよう呼びかけたという。ロシアは昨年も、イランが上海協力機構に加盟することに対して賛同する姿勢を示していた。ラブロフ外相はまた、上海協力機構のテロ撲滅のための仕組みや、通商委員会・エネルギー委員会へのイランの参加を求めたとされる。

 上海協力機構会議に出席した首脳らは会議終了後、「平和ミッション—2007」軍事演習を視察するために、ロシアのチェリヤビンスク州に赴くことになっている。マフムード・アフマディーネジャード大統領がこの演習場に姿を見せる可能性もある。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11675 )