トルコ歴史協会会長の人種差別発言に辞職を求める声
2007年08月21日付 Milliyet 紙

トルコ歴史協会(TTK)会長ユスフ・ハラチオール氏の「トルコに住むクルド人はもともとテュルクメン系であり、アレヴィー信徒のクルド人はもともとアルメニア系であった」という発言に対する反発が強まった。民主市民党党首アフメト・チュルク氏とアレヴィー・ベクタシ連盟代表トゥラン・エセル氏は、ハラチオール氏の辞職を求めた。

「ハラチオール氏の発言は科学的な関連性のないイデオロギー的な見方である」と語ったエセル氏は、次のように述べた。

「アナトリアの文化的、宗教的そして言語的な豊かさを否定し、単一化しようとする試みがそこにはあるのです。社会のなかに偏見を作り出そうとする発言を阻止するためにも、ハラチオール氏の辞任ではなく、早急な辞職が必要である。こうした態度は研究者の態度ではなく、無知であることの例にほかならない」

ピール・スルタン・アブダル文化協会会長カズム・ゲンチも、ハラチオール氏の早急な辞任が必要であると強調し、「科学的であることから程遠い人種差別主義的発言をしたことで、ハラチオール氏がトルコ歴史協会(TTK)会長の職にとどまれば、協会の威厳が失われることとなるだろう」と述べた。

■「証拠を明らかにしてください」

トゥンジェリ選出の無所属議員カメル・ゲンチは、ハラチオールの発言に関する証拠を明らかにするよう求めた。民主市民党員のトルコ人も昨日の党会議で次のように述べた。

「宗派的な理解が原因で疎外されてきたアレヴィー信徒同胞らの権利は保障される必要がある。こうしたことが期待されるなか、TTK会長は科学、道徳、そして政治に完全に反する発言を行った。歴史協会会長は歴史について何も知らない。19世紀までトルコに住むアルメニア人同胞は弾圧を受けていなかった。1914年から1915年の間に弾圧に直面し、その弾圧の結果身分を隠さざるを得ないと感じるようになったのだ。ヤヴズ・スルタン・セリムとウズン・ハサンの治世にはアレヴィー信徒のクルド人やトルコ系アレヴィー信徒がいたことはすべての歴史家が知っている」

社会民主人民党副書記長ウウル・ジラスンは、「ハラチオール氏がどのような科学を意味したのかは知らない。しかしこの科学は、せいぜいコンパスや測るべき頭蓋骨を探しているナチスの人類学者の科学になってしまう可能性がある」という見解を主張している。

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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:11704 )