エジプト、工場向け天然ガス・電気料金の固定化へ
2007年08月15日付 Al-Ahram 紙

■ 産業振興と青年層への雇用機会創出に向けた一連の政策
■ ラシード通商産業相:「工場向けのガス・電気料金を固定化する新制度によって150億エジプト・ポンドの歳入増加に」
■ 国内需要を満たすため、セメントの輸出関税を85エジプト・ポンドに引き上げ
■ 土地671区画と工場用地979区画を小口投資家に分配

2007年08月15日付アハラーム紙(エジプト)HP1面

【カイロ:アフマド・アル=アッタール】

  エジプトの産業振興および青年層への新規雇用機会創出に向けた政府の常なる取り組みの一環として、ラシード・ムハンマド・ラシード通商産業相は新たに一連の産業政策と産業成長率の向上計画を発表した。

 昨日開かれた記者会見でラシード通商産業相は、新たな政策は4つの基軸から成ると述べた。その第一は労働集約型産業、中でも中小規模プロジェクトの振興計画を設定すること、第二は青年層の能力を開発し、彼らによる小規模プロジェクト起業を支援する行動計画を実行すること、第三はセメント業および鉄鋼業を計画化する政策の実行開始、第四はエネルギー集約型産業と労働集約型産業とのバランスを実現し、かつ産業界に十分なエネルギーを振り向けられるようにするため、天然ガスと電気の料金を改定すること、である。

この第四の点に関してラシード通商産業相は、通商産業省と電気省および石油省との間で、大量のエネルギーを必要とする工場向けの電気と天然ガスの料金を固定化する新システムについて合意がなされたと説明し、この新システムは最高エネルギー評議会に提出され、承認を得た後に導入されると述べた。さらに同相は「このシステムには多くの利点があり、中でも今後3年間で150億エジプト・ポンドの国家収入をもたらす点は重要だ。またエネルギー利用の効率化によって新たな投資家、特に中小規模プロジェクトの事業主からの要請に応えられる量の天然ガスと電気を供給できるようになる」と説明した。

 ラシード通商産業相はこの価格固定の新システムは、補助金が適切に行きわたるようその配分先を見直すとともに、国庫負担を軽減することを目的とした仕組みであると強調した。

 同相によれば、現在エネルギー集約型産業が天然ガス補助の75%近く、電力補助の61%を独占し、産業部門に割り当てられているエネルギー全体の55%を消費している一方で、雇用への貢献においては産業労働人口のわずか7%を占めるに過ぎず、またエジプトの産業生産額全体の20%以下の生産能力しか発揮していない。

同相は、「新システムはその大半が鉄鋼、セメント、肥料産業からなるエネルギー集約型の40の工場に適用される。これ以外の工場については丸一年間、政府補助を受けた現行料金を適用し、その後料金の見直しが行われることになる」と述べ、この政策は段階的に施行され、3年後にはガス・電力共に実質料金に改定されると指摘した。

 またセメント業および鉄鋼業の計画化について同大臣は、現在拡大しつつある建設業界の需要に応え、国内市場に出回る分を増やすために、セメントの輸出関税を1トンあたり85エジプト・ポンドに引き上げることを決定したことを明らかにし、「複数の県にセメント工場を開くため、新たに14のライセンスが与えられ、これらの新しい工場によって年間2100万トンのセメントが市場に追加されて購入価格を引き下げることになるだろう。同様に200億エジプト・ポンドを投じて新たに4つの製鉄工場を建設することが決定され、およそ3万3千人分の雇用機会が生まれる」と語った。

またラシード通商産業相は、整備済み工業用地979区画と土地671区画を、小口投資家向けにプロジェクト用地として形ばかりの価格で来月9月から予約販売することになったとも指摘した。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:11714 )