トルコ歴史協会会長ハラチオール氏、釈明会見で「アルメニア人改宗者のリストがある」と発言
2007年08月22日付 Radikal 紙

トルコ歴史協会の会長、ユスフ・ハラチオール氏は、トルコ国内のクルド人の30%がテュルクメン人であり、アレヴィー信徒のクルド人の一部はもともとアルメ ニア人であると発言し、各方面から反発を招いている。昨日(21日)、自らの発言の釈明会見で、今度は「アルメニア人改宗者」のリストが手元にあると述べ た。

トルコ歴史協会で行われた記者会見でハラチオール氏は、「人種差別」と非難されていることについて、人種差別はしておらず、自分の発言が歪められたと主張 した。同氏は、「ここはトルコ歴史協会です。1931年にアタテュルクが創設しました。ここでは科学的な研究を行い、記録として残します。一部の人たちが 大声を上げることも可能ですし、辞職を求めることも可能ですが、これらをしても全く意味がありません。私、ハラチオールはトルコ歴史協会の会長であるからこの会見を行っているのではありません。私は一人の歴史家なのです」 と語った。

またハラチオール氏は、「裁判されることなく死刑」に直面していると主張し、「トルコ国内のアレヴィー信徒の99%はテュルクメン人です。1915年の強制移住を逃れようとしたアルメニア人たちがアナトリアにとどまるために自らをアレヴィー信徒のクルド人だと言ったのです」と説明した。

そして同氏はこの発言が「アレヴィー信徒のクルド人が、アルメニア人改宗者である」と歪曲されたと述べた。ハラチオール氏は、「自らの家系」についても明らかにした。「一部の人々が私のことを『アルメニア人だ』と言っています。アルメニア人である可能性もありましたが、私はトルコ人です。アヴシャル族の出身で、(姓のハラチ・オールに縁のある)ムハンマド・ハルジーはデリーのクトゥブ・ミナール(塔)を建てた王家に属しています。ガズナ朝の創始者のひとりです。私は非常に広い範囲で自分自身の過去をよく理解しています。なぜ私はこういう発言をしているのでしょうか。人間にとって自分の過去を知るほど素晴らしいことがあるでしょうか。誰しも自分が何者であるか、興味をもつのではないでしょうか。『誰しも、自らの出自を知る権利がある』と私は述べたのですが、人々は私を人種差別主義者と非難しています。イレーネ・メリコフ氏の研究には私が述べたことが解説されており、改宗者について述べられています。それらについてはなぜ誰も批判しなかったのですか。自国の学者をなぜ誰も信頼しないのですか」

「辞職されるのでしょうか」と質問されるとハラチオール氏は、トルコ歴史協会の給料はわずか388YTL(約34,000円)であり、辞職したとしても研究は続けていくこと、そして辞職は問題の解決にはならないと語った。

ハラチオール氏は、月曜日(20日)に本紙に掲載された発言のなかで、「1936−37年に政府はこれら改宗者たちを一軒一軒訪問して、確認した」と語っている。そしてこれらの記録にあたることができ、調査も行ったという同氏は、記者会見では手にもった書類を示しながら、「私の手元には、アルメニア人の名前とそのトルコ語名、どの街区に居住していたかについてのリストがあります。しかしこれはいかなる時も公表しません。彼らが手にした安寧を壊すことはしません。これが脅しとしてうけとられませんように」と語った。また同氏は、「アルメニア人改宗者」たちは、1920年代には9万人から10万人前後いたが、現在何人であるかは「言うことができない」と付け加えた。

■「ハラチオール氏が解任されないのであればデモを行う」
ハラチオール氏の発言に対する反発は続いている。トゥンジェリ弁護士会のひとりバルシュ・ユルドゥルム弁護士は、ハラチオール氏を告発した。ユルドゥルム 弁護士はハラチオール氏が「言語や宗教、人種の差別を行い、人々に悪意と敵意を挑発した」罪で裁かれることを求めた。世界エフリ・ベイト財団のフェル マーニー・アルトゥン理事長は、「ハラチオール氏は扇動家です。解任されないのであれば、アンカラでデモ行進を行います」と話した。「トルコ人の炉辺」 は、ハラチオール氏擁護を表明し、「アレヴィー信徒がトルコ人であることは、歴史的事実です」と語った。

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:11715 )