21名のイラン人人質は昨日解放後、在パキスタン・イラン大使館の関係者に引き渡された(写真:AFP)
【政治部】チャーバハールとイーラーンシャフルを結ぶ国境ルートで発生した治安攪乱分子らによる人質事件発生から24時間後、パキスタン政府軍の努力と、イラン側からの〔パキスタン政府に対する〕外交的話し合い・働きかけにより、21人のイラン人人質が解放された。
イラン人人質の解放は、パキスタンのバルーチスターン州における同国治安警察による軍事作戦の成果であり、戦闘の結果、治安攪乱分子らのうち2名が死亡、15名が逮捕された。
イラン東部の900キロメートルにわたる国境地帯には、治安上の諸問題が存在する。これらの問題は、アフガニスタン中央政府がいまだ完全な形で統一・確立されていないことに加え、パキスタン政府がイランとの国境地帯の治安問題に対して無関心であることに、その主な要因がある。このような事情を鑑みた場合、イラン人人質解放のためにパキスタン治安警察が昨日行った作戦は、イラン・パキスタン間の相互の治安協力にとって転換点を画するものであるといえよう。
昨日のパキスタン治安警察の行動で明らかとなったのは、パキスタン政府が治安攪乱分子らから国境を安全に保つ十分な能力を有していることに加え、治安に関する相互条約の枠組みにおいて互いの約束を実行に移すことにより、同国がイランとの国境地帯の治安レベルを向上させる能力を備えていることである。
イラン・パキスタン間の国境地帯における〔イランへの〕挑発行為は、1384年デイ月(西暦2005年12月下旬〜2006年1月下旬)に始まった。9人のイラン人国境警備官が正体不明の一団によりスィースターン・バルーチスターン州で誘拐されたのだ。
それからしばらく後、アブドル・マーレク・リーギーという名の27歳の若者を指導者とするジョンドッラー(=神の兵士)という名のテロリスト集団がこの事件への関与を公表、自らの存在を明らかにした。ジョンドッラーは民族主義的な要求を一部掲げつつ、イスラーム共和国体制との対決が自らの目標であると、公然と宣言した。リーギーが率いるこの集団は、この事件の後さらに犯罪行為を重ね、数十名の同胞を
バム=ザーヘダーン街道、
ザーヘダーンのサーロッラー通り、そして
タースーキー地区において殺害・誘拐した。
国の治安関係機関が行ったさまざまな調査・研究によると、このテロ集団に対して訓練を施し、武器を供給するなどの一部の便宜を提供しているのは、アフガニスタン占領に関与している諸外国であることが明らかとなっている。
またこれらの調査によって、リーギー率いる集団が治安の及ばないパキスタン・バルーチスターン州の国境地帯を利用し、国際的な麻薬密売集団と協力・連絡することで、テロという自らの目的を実現させていることも分かっている。
同集団は犯罪行為に及ぶと必ず、イラン東部での自らの犯罪の様子を収めた映像を、さまざまな声明とともに流してきた。そうすることで、この地域に恐怖と民族的分裂の気運、安全への不安を煽ろうとしているのだ。
また同集団の行動は、偽善者〔=亡命反体制組織であるモジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)のこと〕や一部の湾岸諸国、英米と結びついたメディアによって〔好意的に〕報じられてきた。
(後略)
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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:11721 )