■ イスラエル政府、西岸地区の検問所に関して近く決定を下す見通し
2007年08月13日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ロイター、AFP】
イスラエルのエフード・オルメルト首相の官房は昨日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人の移動を困難なものにしている道路上の検問所数百ヶ所を撤去するか否かの決定を近日中に行うと発表した。いっぽうイスラエル内閣は、730億ドルに達する記録的な予算案を承認した。
オルメルト首相官房のディヴィッド・ベーカー報道官は「イスラエル政府は近日中に決断を下す。…イスラエルは何処であれ何時であれ出来うる限り、その時の治安状態を考慮に入れつつ、パレスチナ民衆に降りかかっている障害を軽減する決意である」と発表した。
西側外交筋によると、イスラエル政府は移動制限の軽減を段階的に進める意向であり、先ず[安全保障上]あまり微妙でない地域における少数の検問所を撤去することから始める予定だという。イスラエル政府はこれまでにも検問所の撤去を約束してきたが、そうした変更措置の多くは実施されず、或いはまもなく撤回されている。
メイール・シトリット国務相は、検問所撤去の決定は、6月にイスラーム抵抗運動「ハマース」が武力によってガザ地区を制圧した今、マフムード・アッバース大統領が西岸地区の状況を改善することができるか否かにかかっていると述べ、「もしそれができなければ、我々がイスラエル国内の治安を維持せなばならず、したがって検問所を撤去することはできない」と語った。
米下院外交委員会のトム・ラントス委員長はエルサレムでの記者会見で、「検問所を拙速に撤去すれば、必ず暴力行為とテロの激化をもたらす」と述べた。またラントス委員長は、11月に開催予定の和平国際会議において、或いはジョージ・ブッシュ米大統領の残り17ヶ月の任期の間に「巨大な成果」が上げられる可能性は低いとの見方を示した。
パレスチナのサラーム・ファイヤード首相は水曜日、エリコでイスラエル、ヨルダンおよび日本の外相と会談を行う。ファイヤード首相官房の幹部であるサアディ・アル=カルナズ氏によれば、ファイヤード首相は地域の経済・政治問題についてイスラエルのツィピ・レヴニ外相、日本の麻生太郎外相、ヨルダンのアブドゥルイラーフ・アル=ハティーブ外相と協議する。世界第2の経済大国である日本は、パレスチナ経済支援の一環としてエリコにおける農産業施設の建設を資金援助する。
日曜日に中東歴訪を開始する麻生外相はイスラエルおよびパレスチナの高官らと会談を行い、パレスチナ自治区における雇用機会の創出を目指す日本のプロジェクトについて理解を広める意向である。
(後略)
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( 翻訳者:佐藤卓巳 )
( 記事ID:11728 )