シャルム・シェイフ会議が閉幕、中東の諸問題への取り組みを確認
2007年08月01日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、米ライス国務長官・ゲイツ国防長官との会談で:「バグダードへの道はエルサレムを経由する」
■ シャルム・シェイフ会議でイラクの平和、国土の統一と安定の必要を確認
■「イスラエル・パレスチナ紛争の終結に向け、二国家共存の解決方針を堅持」
■「湾岸のいかなる国であれ主権侵害の脅威に晒されれば確実に支援する」
■イランに対し核不拡散条約の取り決めを遵守するよう要請

2007年08月01日付アハラーム紙(エジプト)HP1面

【シャルム・シェイフ:ムフタール・シャイーブ、ドゥアー・アル=ビーフ】

 エジプト、ヨルダン、湾岸協力会議6カ国、およびアメリカ合衆国(6+2+1)の各国外相は、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相を議長としてシャルム・シェイフで昨日行われた会議の後、和平と安定と繁栄とを享受する中東についての共通の展望を再確認し、この共通の目標を実現するために共に取り組むと明言した。

また、外相らはイスラエル・パレスチナ紛争の終結に向けて二国家共存の解決策に取り組むことを確認し、そうした結果を実現するための基盤となるのは、国連第242、338、1397、1515号決議とアラブ和平提案の履行、1967年以来の占領の終結、生存可能で地理的一体性を保ち、平和的かつ安全に近隣の全ての国と共存できるパレスチナ国家の建設であると説明した。この点に関して外相らは、中東四者協議の作業の重要性を指摘した。また参加外相たちはパレスチナの人々、特にガザ地区における人道的状況について大きな懸念を表明し、パレスチナの人々に対し、またマフムード・アッバース大統領とその政府が指揮するパレスチナ自治政府に対し、支持と支援を継続することが重要であると確認した。

 また外相らは全ての暴力行為を非難し、パレスチナ自治政府の下でヨルダン川西岸地区とガザ地区に法と秩序が確立されるよう呼びかけた。またイスラエルとパレスチナの双方に対し、従来の取り決めを全て遵守するよう促し、公正かつ包括的な紛争解決を達成するための各国別の二国間交渉を進展させるにふさわしい環境醸成に向けた努力を支持すると約束した。

 一方イラクに関しては、イラクの主権と国土の統一、政治的独立、イラク国民の団結、国際的に承認されたイラク国境の不可侵が再確認され、イラク国内問題への不介入の原則を遵守することが確認された。また政府の枠外で活動する民兵や武装グループへの武器や訓練の供与を含め、イラクへのあらゆる干渉を終わらせるよう呼びかけた。

また各国外相はイラク政府に対して約束の履行を要請すると同時に、2007年5月に国連安保理常任理事国やG8諸国も参加してシャルム・シェイフで開催された、イラク近隣諸国会議において合意された諸原則が至急実行される必要があることを確認した。また会議では、イラクにおける民兵全てを即時解体すること、イラク国民を以前にも増して苦しめているテロ行為や宗派間の暴力全てを即時停止することが要請された。

 さらに各国外相は、湾岸のいずれの国家であれ主権と領土統一に対して外部からの脅威に直面した場合には、確固とした支援を行うと表明した。またイランの核開発に関しては国際的な外交努力を強く支持することを再度確認し、イランに対しては核不拡散条約の全取り決めを守るよう求めるとともに、国際原子力機関とイラン政府とが前向きに対話を継続することを希望すると表明した。

シャルム・シェイフ会議に参加した各国外相は閉会声明においてあらゆるテロを非難し、中東を標的とし、この地域の国家や国民を脅かしてきたテロ分子らに対し、団結した戦線を維持する必要があることを改めて確認した。

 レバノンに関しては、主権と民主主義と繁栄を享受するレバノンを支え、フアード・アル=セニョーラ首相が率いる合法政府を支持することを改めて確認し、レバノンの諸勢力に対し、国民対話の再開に向けて行われている努力を支持するよう促した。

 また声明の最後でレバノン憲法への尊重と清廉な大統領選挙の実施、そのためのレバノン国民の団結を求めた。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:11769 )