【政治部】「政府週間」〔2007年8月31日~9月6日〕があるのを良い機に、シャヒード・バーホナル(訳注1)やシャヒード・ラジャーイー(訳注2)のような政治家たちを偲びつつ、現在権力の座にある政権の業績について検討してみることにしよう。
マフムード・アフマディーネジャードを大統領として国政の舵取り役を担って3年目の第9期政権は、これまで紆余曲折を経ながらも、経済、政治、社会、及び文化の各分野でイラン・イスラーム共和国体制の目的に沿った業績を上げてきたと主張している。
だがここでも、第9期政権が国民に提供してきた成果に対し、批判的な人たちもいれば、これでよしとする人たちもいる。
第9期政権を評価するのに最適な立場にあるのはおそらく、政権を指導し、政権の活動業務を監督する一翼を担っている監督・立法機関としての国会だろう。
内政・外交政策におけるプラスの業績
第9期政権の業績について、モハンマドレザー・バーホナル国会副議長は、本紙国会担当記者との独占インタビューで、内政・外交政策において第9期政権は成功を収めてきたとした上で、次のように述べた。「政権の政策パフォーマンスは、現在国が高い国力を享受しているとおりだ。」
同副議長は、現政権がこれまでの政権と比較しても最強の政権の一つだとし、こう強調した。「内政面では、政党活動にとって格好の機会がもたらされ、政党活動には何の障害も見られなかった。だが結局、政治の状況は経済の発展と並べてみれば影が薄くなるかもしれない。」
ケルマーン選出の議員である同副議長は、対外政策における第9期政権の業績を次のように付け足した。「第9期政権はしかめっ面外交で、前政権は微笑み外交、などと評されているが、そのわりには、現在イランと諸外国との関係はとても良いと思う。」
現政権は敵を増やした
しかし、国会国家安全保障・対外政策委員会のメンバー、ゴドラットッラ・アリーハーニー議員は第9期政権の対内・対外政策面でのパフォーマンスを支持せず、次のように述べた。「アフマディーネジャード政権は過激なパフォーマンスとスローガンによって、イラン国民にとっての敵を多く作った。」
国会少数派に属する同議員は、対外政策におけるイランの問題は解決していないとして、「敵は、政府が唱える非現実的なスローガンを利用して、イランを柄の悪い国として世界に映し出すことに成功した」と付け加えた。
アリーハーニー議員はまた、第9期政権の経済面での業績について、「第9期政権では、前例がないほどの莫大な収入があったにもかかわらず、我々が目にしたものはインフレ、物価高、国民の生活苦だけだった」と批判した。
〔後略〕
(訳注1)シャヒード・バーホナル:イラン・イスラーム共和国第2代首相、モハンマドジャヴァード・バーホナル。1981年8月、モジャーヘディーネ・ハルクによる首相官邸爆弾テロで死亡。
(訳注2)シャヒード・ラジャイー:イラン・イスラーム共和国初代首相、第2代大統領、モハンマドアリー・ラジャーイー。バーホナルと同じく首相官邸爆弾テロで死亡。アフマディーネジャードは一部の支持者に「第2のラジャーイー」と呼ばれている。
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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:11797 )