新内閣の施政方針を分析 -具体的な目標、見えず
2007年09月03日付 Radikal 紙

第60代内閣の施政方針は、票を投じた47%の国民の期待を反映していない。経済に関しても、EU加盟に関しても、具体的な目標など1つもない。

第60代内閣の施政方針は金曜日(31日)、エルドアン首相によって国会で読み上げられた。明らかなことは、施政方針が「無味乾燥」だったということだ。「国会で施政方針を読み上げなければならない。何でもいいから何か書いて読んでおこう」といった種類のものだった。新たに始まるこの5年間に対する熱意も感じられず、それよりもむしろ「今までの成果」の発表のような施政方針だった。「施政方針では目標が掲げられる」と言いながら、マニフェストにあった、2013年に予測される国民所得の目標が掲げられていた。このオリジナルはそもそも「第9回開発計画」のものである。はっきり言って、その他具体的な目標は何も掲げられていなかった。「角の無い」、「角が丸くなった」目標が掲げられた。例えば、マニフェストにあったインフレの目標が、あいまいな形で「一桁」として示された。1%も9.99%も一桁に含まれるではないか!

政府の施政方針は、いくつかの政治的な目標以外には、「希望的観測」として書かれたものであろう。
「どのように?」という質問に対する答えはない。

トルコがこれまで向き合ってきた改革については、第60代内閣の施政方針で触れられていない。この改革の、それ自身のあるいは社会的な結果を今後どのように監督していくかが説明されていないのだ。例えば、農業分野でどのような改革が行われるか示されていない。農業分野に於ける雇用のうち重要な部分を占める無賃金家内労働従事者が、労働市場に職を求めて進出しているのにもかかわらず、彼らのための政策は何も無い。

2期目を迎えるエルドアン政権には、ケマル・デルヴィシュの「経済大国化プログラム」を超える新たなプログラムを生み出す意気込みはないのだろうか?「~をした。~になった。」という部分を除けば、目標という目標は何も残らない。

施政方針が、よりあいまいな政治的目標を含んでいるとしよう。詳細が記された「今後の改革リスト」、要するに具体的な目標が、どうして2002年の選挙後(まだ内閣が誕生する前に)発表された「緊急行動計画」のように国民の意見を反映していないのだろうか?
私が予想するところでは、具体的な目標が無いからである!

では、「EU加盟に関する国内法の適応のためのリストや日程にも賛成です」と我々が言ったとしても、そのようなものすらない。

EU加盟交渉における適応過程は、「2013年までに、約200の法整備と約600の補助的な整備を行う予定」と目標が簡略に一文で表現されている!我々を最も驚愕させるのは、発表された施政方針が、EU加盟交渉を進める国に見合ったものかどうか、まだ議論の余地がある施政方針であるということである。例えば、環境分野にも、農業分野における漁業(EU加盟交渉では、1つの分野として設けられている)についても、何がどのように行われる予定なのか、政治的な目標としてさえも触れられていない。思想・芸術分野にも同様のことが言える。施政方針を考案したメンバーの中に外務大臣・加盟交渉担当のアリ・ババジャンがいたことを考えると、さらに驚くしかない。

おそらく、第60代内閣のこの施政方針は、「進めていくうちにはっきりする」と言いながら、第59代内閣の業績と数字を考慮して、マニフェストにあるいくつかの政治的目標を追加して準備されたものであろう。まるで、何をするかは「その時の状況を判断して」決めるようだ。

47%の支持を集めた政党が、自身へ票を投じた支持者とは裏腹にこれほど無味乾燥な施政方針を発表するとは、驚愕すべきことではないか?

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:11811 )