住宅賃料、2.3%の上昇?:中央銀行が発表
2007年08月21日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】この数字を信じることは少々困難を覚えるであろうが、しかし物価指標を公表する公的機関である中央銀行は、今年〔3月21日〜〕の第一四半期の都市部の住宅賃料は前年〔同時期〕比で17%の上昇であったと発表した。

 本紙記者によると、中央銀行は先ほど、各地の賃料の上昇率について数値を公表した。それによると、都市部における賃貸住居の賃料の数値は、1383年〔2004/5年〕をベースとすると、1386年〔2007年3月21日〜〕の最初の三ヶ月間は139.2ポイントとなり、その前の3ヶ月間(1385年デイ月、バフマン月、エスファンド月〔=2006年12月22日〜2007年3月20日〕)と比べると、2.4%相当の上昇であった。またこの数値は、前年同時期比で17%の上昇であった。

 中央銀行はこの報告書の中で、1386年ホルダード月〔2007年5月下旬〜6月下旬〕までの12ヶ月間の住宅賃料は、1385年ホルダード月に至る12ヶ月間と比べて、15.1%相当上昇したとしている。またこの報告書によると、1386年最初の三ヶ月間の賃貸住宅の平均賃料は、1385年最後の3ヶ月間と比べて、大都市で2.3%、中規模都市で3%、小規模都市で2.5%上昇したという。

 中央銀行が示した数値は、しかし、市民が今年の春と夏の住宅賃料の支払いで経験している実感とは、かけ離れているように思えてならない。この実感の差は、テヘランや各州の中心都市のような大都市で特に感じられ、それよりも小規模の都市では明らかに賃料の上昇率もより低い水準にとどまっているようだ。とはいうものの、簡単な調査をしてみても、賃料の平均上昇率は中央銀行が発表した数値よりも、かなり異なる数値が得られるであろう。

〔中略〕

 テヘラン地所組合のモスタファー・ゴリーホスラヴィー会長は、このことについて本紙記者に次のように語っている。「テヘランにおける賃料の平均上昇率は、〔中央銀行から〕発表された数値をはるかに上回るものだ。特に年度の上半期は、気温が上昇することや、子供を学校に登録するために住居を定める必要があることなどが原因で、引っ越しがより頻繁になる傾向にある」。

 同氏はさらに、「もし中央銀行が、年度の最後の3ヶ月間の賃料上昇率が、例えば2.3%であると主張するのであれば、恐らく半分の確率で誤っている可能性があるとはいえ、テヘランの僻地や住宅需要のあまりない地域については、受け容れ可能な数値かもしれない。しかし、年度の最初の3ヶ月間で3.2%の上昇率というのは、実際のところ、少々公正さを欠く数字だろう」と付け加えている。

 同氏はさらに、次のように説明する。「例えば、エンゲラーブ通り〔テヘランの中央を東西に通る大通り〕といったテヘランの中心部にある、平均的な住宅を探すと仮定しよう。築10年の80平方メートルのアパートの場合、賃料は平均でつい以前まで40万トマーン〔約5万円〕といったところだったが、もしこのアパートの賃料の上昇がたった2.3%だったとすれば、1385年に比べて1386年の毎月の賃料は、約8000トマーン〔約1000円〕上昇したということになる。これはとても信じられる数字ではない」。

 その上で同氏は、「テヘランのような都市の賃料上昇率について、正確な数字を示すことは不可能だ。というのも、地区ごとに、通りごとに上昇率は異なるからだ。ミールダーマード地区〔※テヘラン北部の地域で、比較的高級な住宅が並ぶ〕を例に挙げれば、ある通りに面した地域から別の通りに面した地域まで、賃料は異なるのだ」と指摘する。

 その上で同氏は、「テヘランの賃料の平均上昇率は、約30〜35%であると推定される。その他の大都市でも、大体こんなところではないか」と続ける。

 ゴリーホスラヴィー氏は最後に、「〔中央銀行から〕発表された数値は、何らかの調査に基づいて出されたものであることには違いないだろうが、しかしおそらくはフィールド調査によって得られたものではないものと思われる。もしテヘランや地方都市の不動産屋に行けば、現実の数値は公表された2.3%の上昇率よりもはるかに高いものであることは、火を見るよりも明らかであるからだ」と述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11812 )