イラン南部の海岸にクジラが相次いで打ち上げられる:原因を調査中
2007年08月22日付 Iran 紙

【バンダル・アッバース】イラン南部の海岸沿いの海には、一般に「海の哺乳類」と呼ばれているクジラやイルカが合計で23種生息していることが、これまでの調査により確認されている。

 今週日曜日の朝、一頭の巨大クジラが、波に乗ってホルモズ海峡に位置するバンダル・アッバース市のハージェ・アター地区の海岸に打ち上げられた。このクジラは体重が約8トン、体長が10メートル近いものであったが、頭部と尾ヒレを失っていたため、〔クジラの種類について〕正確に確認することはできなかった。

 これより前にも、オマーン海沿岸のジャースク県の海岸に一頭、さらにペルシア湾岸のバンダル・レンゲから西に30キロメートル地点の海岸にも別のクジラが一頭打ち上げられていた。

 このことについて、ホルモズガーン州環境保全局のメフルダード・キャタール=モフセニー総局長は、次のように述べている。「比較的短期間のうちに3頭のクジラが打ち上げられたことで、問題の深刻度が増している。このような出来事が起きた原因について、専門家たちが目下調査中である」。

 さらに同氏は「これらのクジラたちの生息地についてはまだはっきりと特定されてはいないものの、最近クジラの死体が複数打ち上げられたことは、この種の海洋生物がペルシア湾やホルモズ海峡、オマーン海にも生息していることを示している」と付け加えている。

 キャタール=モフセニー氏はまた、「クジラたちが死んだ原因については、未だ確定的な結論が出されていないものの、いくつかの要因が推測される」と指摘する。

 同氏によれば、クジラたちが海に仕掛けられた漁業用の網に絡まってしまったことが、可能性の一つとして考えられるとのことである。

 また、クジラたちが死亡した原因として、同氏は何か特殊な病気にかかった可能性もあると指摘している。「医学・獣医学・環境研究センターの協力で、死亡の原因となった可能性のある病気の種類を特定するために、これらのクジラたちを検査し、サンプルの分析を進めているところである」。

 同氏は、「最後のクジラが海岸に打ち上げられた時には、既に死亡から数週間が過ぎて、〔死体は〕膨れ上がっており、陸に移動させたときには死体がぼろぼろになってしまった。そのため、必要な検査を全て行うことはできなかった」とも述べている。

 同氏によれば、この検査は、体内の各部位、尾、脳、皮膚、遺伝子などをサンプリングし、生息地やその種類について調査するものだとのことである。

 キャタール=モフセニー総局長によれば、大型船舶との衝突や老衰による自然死も、可能性として決して無視できないとのことだ。

 他方、ホルモズガーン州海洋環境保全局のシャフラーム・フェダーカール氏は、死体が海岸に打ち上げられたクジラの種類の特定作業について、「クジラの体のさまざまな箇所が〔腐敗により〕ぼろぼろになってしまったため、正確に確認することはできないが、このクジラの胸部下に溝があることから、このクジラがニタリクジラではないかと推測される。最終的な確認は、遺伝子の検査・分析によって可能だ」と語る。

 調査によれば、イラン南洋に生息するクジラの中で最も体が小さいのは、体重が8トンから10トンのザトウクジラである。また、体重が10トンから200トンもあるシロナガスクジラも同海域に生息しているという。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:関口理恵子 )
( 記事ID:11824 )