カスピ海のチョウザメ、絶滅の危機
2007年09月02日付 E'temad-e Melli 紙
【ISNA】無許可の漁師たちがチョウザメ肉を売るため、子供のチョウザメの漁獲に走っており、チョウザメの生息環境は急速に破壊されている。それにもかかわらず、チョウザメを繁殖させ、カスピ海の漁業資源を回復させるための我が国の対応は、50年代〔西暦でほぼ1970年代〕のそれと変わることがない。そのため、イランのキャビア産業は衰退の一途をたどっている。
密漁、カスピ海沿岸諸国の社会・経済問題と絡まり合ったカスピ海漁業資源の乱獲、ダムの建設、石油による汚染、これらの要因がチョウザメ資源の急速な減少を引き起こしており、今後数年のうちにチョウザメが絶滅するのではないかと危惧されている。この美しい生物種がお目にかかれるのは映像や写真でのみ、といった事態になりかねないのである。
「現在の減少傾向が続けば、今後14年以内にチョウザメの数はゼロになってしまうでしょう」。こう語るのは、チョウザメ国際研究所のモハンマド・プールカーゼミー所長である。
同氏は、84年〔2005年〕にはチョウザメは30%減少したと述べる。チョウザメのような多産な魚が急激に減少した原因は乱獲にあるとするプールカーゼミー所長は、「カスピ海はイランだけのものではありません。何をしようにも、沿岸諸国の協力が必要なのです」と指摘する。
チョウザメの数、35%減少
密輸対策本部のウェブサイトによると、イラン漁業協同組合全国連合会のルーホッラー・ヤズダーンネジャード会長は、このことについて次のように語っている。「無許可の漁師たちが子供のチョウザメを漁獲し、その肉を市場で売っている。密漁者のこのような行動のため、多産のチョウザメもその数を急激に減らしているのです」。
ヤズダーンネジャード氏は密漁者がカスピ海に押し寄せているとし、「密漁者による乱獲によって、カスピ海からチョウザメがいなくなりつつあるのです」と危機感を募らせる。「この傾向が今後も続けば、数年のうちにチョウザメは写真の中だけの魚になってしまうでしょう」。
ヤズダーンネジャード氏によると、84年〔2005年〕には前年に比べてチョウザメの数は35%減少したという。「政府には密漁を監視し、チョウザメ漁をカスピ海の〔合法的な〕漁業関係者に戻すためのきちんとした計画を策定することで、現在のチョウザメの減少傾向に歯止めをかけてもらいたい」と訴えている。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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