次期専門家会議議長は誰か:今日の専門家会議会合で決定
2007年09月04日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】第4期最高指導者専門家会議の第2回本会合が、本日(9月4日)開催される。この会合では最重要議題として、アーヤトッラー・メシュキーニー逝去後の同会議の新議長が選出されることになっている。

 専門家会議の内部規定によると、同会議の議長ないし副議長、及び運営委員会書記らが死亡した場合、彼らの後任は死亡後開かれる最初の会議で投票によって選出される。これに基づき、故アーヤトッラー・アリー・メシュキーニーの後任となる最高指導者専門家会議議長が、本日の会合において選出される。

 専門家会議の規定上、最高指導者専門家会議議長は国会議長と同様、自らが欠席する場合、ないしは出席する場合でも、会議の運営を副議長ら(第1副議長であることが望まれる)に委任することができる。そのため、議長が死去により不在の期間中は、議事運営は副議長らに委任される。

 昨年末〔イラン暦では新年は3月21日に始まる〕、第4期専門家会議の第1回会合にて開催された専門家会議運営委員会選挙では、アリー・メシュキーニーが唯一の議長候補者として、80票中71票を獲得し、議長に選出された。また、4名の副議長候補者らのうち、ハーシェミー=ラフサンジャーニーが65票、モハンマド・ヤズディー〔前司法権長、護憲評議会委員〕が49票を獲得し、それぞれ第1副議長、第2副議長に、そして3名の書記候補者らのうち、ドッリー=ナジャフアーバーディー〔元情報相、現検事総長〕、セイエド・アフマド・ハータミー〔テヘラン臨時金曜礼拝導師の一人〕がそれぞれ68票、56票を得て選出された。

 最高指導者専門家会議は、最高指導者の選出、及び同指導者の活動の監督という責務を担っている。このように、専門家会議はイスラーム共和国体制において最も重要な機関であり、かつ最も独立性が高く、最も影響力の強い機関である。

 こうした理由に加え、同会議に選出された議員らの出自もまた、最高指導者専門家会議の選挙、そして同会議議長及び運営委員の選出が、国会や大統領、地方議会の選挙とは180度異なる性格を帯びる理由となっている。実際、現在までに専門家会議は4期を経ているが、政治的緊張にまみれた状況に脱線したことは一度もなかったのだ。〔訳注1〕

 これまで専門家会議の議長を務めてきたアーヤトッラー・メシュキーニーの死去に伴い、同会議の外にいる人物や政治グループからは同師の後任をめぐる憶測が飛んでいるが、しかしそれにもかかわらず、同会議の宗教権威たちからは、新議長選出をめぐって最高指導者専門家会議議員の間で対立が生じているといったニュースはこれまでのところ伝えられていない。

 ホッジャトルエスラーム・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー〔訳註2〕は、最高指導者専門家会議議長の最有力候補として取り沙汰されている。同師は、専門家会議の最近2期連続で、同会議の副議長を務めてきた。ハーシェミー=ラフサンジャーニーは、昨年アーザル月24日(西暦2006年12月15日)に行われた第4期専門家会議選挙において、テヘラン州選挙区で最も高い得票率を獲得した。同師は公益判別評議会の議長であるだけでなく、専門家会議を構成する重要な党派の一つである〈闘う宗教指導者協会〉及び〈ゴム講師協会〉でも、特別な位置を有している。

 最高指導者専門家会議の第2副議長であり、かつ最高指導者専門家会議事務局の責任者でもあるアーヤトッラー・モハンマド・ヤズディーもまた、次期専門家会議議長に目されている人物の一人である。同師は、司法権の前長官及び護憲評議会委員といった経歴を有している。

 専門家会議のゴム州選挙区代表及び護憲評議会委員であり、かつゴム講師協会の卓越した人物の一人でもあるアーヤトッラー・モハンマド・モオメンも、次期専門家会議議長として名前が挙がっている一人だ。

 以上の候補者ら以外にも、セイエド・モハンマド・ハーシェミー=シャーフルーディーの名も挙げられている。この卓越したイスラーム法学者は現在、司法権の長官を務めている。

 専門家会議議長の候補者として、同会議のホラーサーン・ラザヴィー州選挙区代表であり、〈アースターネ・ゴドセ・ラザヴィー〉〔訳註3〕の理事長を務めるアーヤトッラー・ヴァーエズ・タバスィーの名も挙げられている。

 本日の最高指導者専門家会議の会合は、以上のような憶測に終止符を打つことになる。
 
 これまで3期にわたる専門家会議の活動実績から言えることは、革命前は前体制との闘争を経験し、革命後は各地の宗教界において学識・イスラーム法学で確固たる地位を得て、行政や研究の分野で実績を積んできた、イスラーム法学に精通した多くの宗教指導者らが同会議を占めてきたがために、専門家会議はこれまで議長の選出に際し、困難に直面したことはなく、選出された人物は、同人物に投票しなかった議員も含め、すべての議員に祝福されてきたということである。



訳注1:専門家会議の選挙には「イスラーム法の学識の高い者」しか参加することができないため、同会議内には高度の統一性が保たれ、無益な政争とは無縁であるということを主張している。

訳註2:ホッジャトルエスラームはイスラーム法学の学識においてアーヤトッラーよりもワンランク格下の法学者に対する尊称。ホッジャトルエスラームであるかアーヤトッラーであるかは、これといった明確な基準があるわけではなく、通称に過ぎない。ラフサンジャーニーは人・メディアによって、アーヤトッラーと呼ばれることもあれば、ホッジャトルエスラームと呼ばれることもあり、いずれの呼び方を使うかでラフサンジャーニーに対するその人・メディアの評価を窺い知ることができる。実際、ラフサンジャーニーほどメディアによって呼び方が変わる人物も珍しい。

訳註3:〈アースターネ・ゴドセ・ラザヴィー〉とは直訳すれば「レザーの聖域の入り口」という意味。この組織は、マシュハドにある第8代イマーム・レザーの聖廟の管理を行う団体であるが、その後発展を続け、現在では宗教・文化・経済などの広範囲にわたる分野で多数の事業を行う巨大複合体となっている。アフガニスタンの復興事業や同国との貿易にも、大きな役割を果たしているといわれる。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:11837 )