ラフサンジャーニーが専門家会議の議長に選出:専門家会議の担うべき役割について演説
2007年09月05日付 E'temad-e Melli 紙
アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニーが、最高指導者専門家会議議長に選出された。
アーヤトッラー・メシュキーニー逝去後初めて開かれた昨日の専門家会議の会合で、アーヤトッラー・・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニーとアーヤトッラー・アフマド・ジャンナティーが専門家会議議長の候補者となり、ジャンナティー34票に対してラフサンジャーニーが41票を獲得して、第4期専門家会議の議長に選出された。この選挙は専門家会議非公開会合の中で行われた。
しかし、昨日行われたのは議長選挙だけではなかった。アーヤトッラー・モハンマド・モオメンが、最高指導者専門家会議の第一副議長に選出されたのである。昨日議長に選出されたラフサンジャーニーが、以前に務めていたポストである。第一副議長を選出する投票では、アーヤトッラー・モオメンが37票を獲得して、当選した。対立候補であったアーヤトッラー・マフムード・シャーフルーディーは33票の獲得にとどまった。
昨日、アーヤトッラー・メシュキーニーを偲ぶ花と写真が飾られた専門家会議運営委員会席には、アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー、モハンマド・ヤズディー、アフマド・ハータミー、そしてドッリー=ナジャフアーバーディーの各委員がメシュキーニーの外套とともに並んだ。議場の最前列に並んだのは、ハーシェミー=シャーフルーディー、アフマド・ジャンナティー、エマーミー=カーシャーニー、ハズアリーの面々。後列には、ラフサンジャーニーの演説の最中に議場に到着した、行政監督院長のラーズィーニー、元情報相のアリー・ファッラーヒヤーン、ホラーサーン地方の最高指導者代理にしてアースターネ・ゴドセ・ラザヴィーを監督するヴァーエズ=タバスィーらの姿も見える。ヴァーエズ=タバスィーの後ろに、セムナーン州選出のハサン・ロウハーニーやタブリーズの金曜礼拝導師のシャベスタリーがおり、そのまた後ろにはメスバーフ=ヤズディーが朱色の議員席に座っている様子は、カメラマンにとって格好の題材を提供していた。
〔中略〕
ハーシェミー=ラフサンジャーニー:専門家会議は憲法第44条に関して、公益判別評議会に説明を求めることも可能
会合が始まる時にはまだ副議長職にあったハーシェミー=ラフサンジャーニーは、開会式の演説を行い、専門家会議が担うべき責務について、次のように強調した。「例えば、最高指導者は全体的な政策に関わる問題や
憲法第44条〔※石油産業などの大規模産業の国有を定めた条項〕をめぐる問題について裁可を下され、その責任を公益判別評議会といった機関に任せられた。専門家会議はこれらの機関が担う責務に関して、これらの機関に説明を求めることもできる」。
ラフサンジャーニーは、専門家会議の議員らはもっと積極的な役割を果たすべきだとした上で、次のように語る。「議論すべきは、昨今の状況に鑑み、果たして専門家会議の議員らは、これだけの人材がありながら、体制の役に立っているのか、ということだ。専門家会議はある意味で、軍に似ている。軍は莫大な経費をつぎ込みながら、将来戦争が起きたときに国を防衛することを目的に存在している。彼らは平和な時代には準備を整える。彼らの存在が国民の安心を生み、安全の確保につながっている」。
さらに次のように付け加える。「最高指導者専門家会議もまた、少ない費用で、ではあるが、歴史的に重大な局面に自らの本領を発揮する。社会に大きな空白が感じられ〔=最高指導者が不在になり〕、そのことが体制に敵対する敵どもの貪欲をかき立てたとき〔=反体制派がこの機に乗じて体制転覆運動を行おうとしたとき〕、特別の役割を担うことになる。この偉大な力は、危険を前もって防止し、生じてしまった危険を食い止めることにおいて、重要な役割をもっている」。
ラフサンジャーニーは専門家会議に存在するさまざまな委員会の活動について指摘した上で、次のように述べている。「最高指導者による指導の継続性との関連で活動している種々の委員会は、自らの仕事をよくこなしている。これらの委員会は、さまざまな報告書を会議に提出しており、われわれ〔=運営委員会〕は今後、それについて最高指導者にきちんと報告するつもりだ。〔中略〕」。
ラフサンジャーニーはまた、最近の国際情勢について、次のように指摘している。「専門家会議の議員は、現在の国際情勢と自らの責任に鑑み、世界の動向に対する警戒を怠るべきではない。今日、アメリカが拡大中東構想を提出したことによって、巨大な危険がわれわれを脅かしている。彼らの目的は地域の、特に石油産出国の支配にある」。
ラフサンジャーニーは、今日イラン・イスラーム共和国は自らの仕事を堅実にこなしていると強調した上で、「彼らは、われわれにいかなる打撃を及ぼすことにも失敗してきた。彼らは核問題で、世界の世論を扇動してわれわれに敵対させ、拡大中東構想での自らの目的を完遂させようと目指していたが、しかしいまだ出だしのところでつまずいたままだ。われわれもまた、最高指導者が年頭に仰た二つの基本原則、すなわち〈国民の団結〉と〈イスラームの連帯〉に対して、特別の注意を払い、強調する必要があるだろう」と語った。
ラフサンジャーニー公益判別評議会議長はさらに、われわれは原則において互いに何の相違もないとした上で、「些細な考え方の違いが、国民の団結を脅かすといった事態を招くようなことのないようにしなければならない。いうまでもなく、団結と連帯の醸成において、専門家会議は特別の役割を担っている」と述べる。
ラフサンジャーニーは、最高指導者が〈イスラームの連帯〉の問題を提起されたことは新鮮かつ時宜を得ていると指摘した上で、さらに次のように続けている。「イスラームの敵は拡大中東構想によって、ムスリム諸国を互いに対立させようと企んでいる。われわれは反シーアの巨大なうねりの誕生を目撃したばかりだ。配慮された施策によって、このうねりはすでに無力化されたが、われわれは自らの最低限の立場を守りつつ、悪魔たちの手に口実を与えるようなことのにないよう注意しなければならない。どこかの小国が、われわれに対して敵対的な言葉を、何か言ってくるようなことがあるかもしれない。しかしわれわれは公益を優先させて、この種の発言を相手にするべきではない。〔感情的な反応よりも〕公益を守ることの方が大切だからだ」。
ラフサンジャーニーはさらに、「最高指導者専門家会議の議員らは、国民の団結とイスラームの連帯のために、自らの責務をよく果たすべきである。国の内外における団結と連帯を中心に据えて、行動すべきである」と指摘した。
ラフサンジャーニーはまた、自らの演説の別の箇所で、「社会一般、そして専門家会議の一部友人の間で提起されている議論として、専門家会議はその能力を十分に生かし切れていないのではないのか、というものがある。私は、この会議がより実践的で重要な責務を担うことができるものと確信している」とも語った。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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