ウルミエ湖、水不足の危機
2007年09月06日付 Iran 紙

ウルミエ湖の水量が激減し、湖唯一の生物であるアルテミアが危機的状況に置かれている。

【ウルミエ発イラン紙記者】人間の活動のためにウルミエ湖の水流が管理・調節され、これが湖に洪水が流れ込むのを妨げている。

生息環境保全庁湖沼責任者のマスウード・バーゲルザーデ・キャリーミー専門員は、ウルミエ湖岸で開発工事の一部が行われていることについて「これらの要因がこの湖の一部が干上がることにつながっている」と述べた。

同専門員は、ウルミエ湖の水量の激減と塩分濃度の上昇には自然の要因と人為的要因が影響しているとして、「ダムが作られたことで洪水の水流が管理され、水は調節された上で用いられ、湖に入ってこない」と付け加えた。また、ウルミエ湖周辺に広がる畑の灌漑で地下水を濫用していることが、この湖の水の状態に影響を与えているとしている。

さらに同専門員は「ウルミエ湖の水量が激減したことで、湖唯一の生物であるアルテミアが危機的状況に置かれている」と述べた。

過度の水中塩分が影響し、ウルミエ湖のアルテミアの卵の数が湖水リットルあたり5~30個から1個に減ったとの情報がある。キャリーミー専門員は、「水高等評議会がウルミエ湖の水量を回復すべく措置を講じているところだが、この生態系の復活に向け、関係諸機関のプログラムや政策の足並みを揃えるのに時間がかかる」と述べた。

ウルミエ湖国立公園の危機的状況は、生息環境保全庁に、世界でも最も希少な生物の宝庫に危険信号を灯させた。

公表された情報によると、ウルミエ湖国立公園は、湖の水位がその最高位より5メートル低下したせいで、湖の南部、東部、及び数箇所の低地12万ヘクタールが塩沼に変化した。

ウルミエ湖の水量の減少は、湖水リットルあたり約290グラムの塩分の上昇を引き起こしている。この湖の通常の塩分濃度はリットルあたり160グラムである。また、水位の低下が原因で、この湖の9つの本島のうち5島が陸地とつながった。

ウルミエ湖国立公園は世界59の自然環境保護区〔訳注:「アジア地域に95ある生物圏保護区」が正しい〕のひとつで、世界的にも希少な鳥類の常時及び一時的な生息に適した自然、さらに湖岸と島の自然の美しさにより、ユネスコの世界生物圏保護区に認定されている。

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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:11854 )