「貞節とヘジャーブの文化強化計画」、テヘラン市内の学校で実施へ
2007年09月12日付 Iran 紙

【社会部】テヘラン市の「社会害悪防止局」総局長は、「学校における貞節とヘジャーブの文化強化計画」を初めて実施する予定であることを明らかにした。

 ナーセル・デフナード総局長はイラン紙との会見で、さらに「『学校における貞節とヘジャーブの文化強化計画』の実施に向けて、各地域には委員会がすでに設置されている。また、教育を専門とする大学教授や研究者、評論家らを招き、同計画のよりよい実施を目指している」と語った。

 同総局長はまた、「質疑応答の会で、生徒らが自ら、貞節とヘジャーブの文化を普及し強化するための方法について、提案できるようにする予定だ」と述べた。

 デフナード総局長はまた、「『貞節とヘジャーブの文化強化・普及計画』は、テヘラン市のすべての小中高校で実施されることになる。この計画に当たっては、PTAもまた積極的に参加し、同計画の実施に協力することになる」とした。

 同総局長は、選り抜きの優秀な生徒らもまた、「貞節とヘジャーブの文化強化・普及計画」の実施に参加する予定であると強調し、「生徒らは互いに影響し合うことが多い。それゆえ、この計画を実施するに当たっては、選り抜きの優秀な生徒らの活用が試みられる予定だ」と語った。

 またデフナード総局長は、「学校における貞節とヘジャーブの文化強化計画」の実施に当たって、殉教者モルタザー・モタッハリー先生〔※訳注〕の複数の著作を、重要な参考文献として利用していることを明らかにした。

 〔中略〕

 デフナード総局長はまた、「〔中学校で行われる〕『生活を知る』計画では、中学1〜3年生用のガイドブックだけでなく、子供との正しい関わり合い方について書かれた、生徒の親向けの本も編纂されている」と述べた。



訳註:モタッハリーは1979年のイスラーム革命の重要なイデオローグの一人。革命前は、イラク亡命中のホメイニーの代理としてイラン国内で活動した。また女性の権利をめぐる問題、利子や銀行、保険をめぐる問題など、従来のイスラーム法学者が直接的に関与しようとしてこなかった実際的な社会問題に関して、積極的に発言を行い、マルクス主義に代わる(とされる)「イスラームのアプローチ」なるものを提起した。また、シーア派宗教界の近代化・中央集権化・自立性の強化・専門分化化などを提唱するなど、多くの点で革命後の宗教界のあり方に強い影響を与えた。革命直後に暗殺された。またモタッハリーは革命前テヘラン大学神学部の講師を務め、さらに「イスラーム法学者」としてではなくむしろ、現代の社会問題や思想の問題について発言する「社会批評家」としての側面が強いため、法学者の尊称である「アーヤトッラー」などではなく「先生」と呼ばれることが多い。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11904 )