高等教育協議会、廃止されないが身動きとれず
2007年09月15日付 Radikal 紙

憲法草案において高等教育協議会(YÖK)は現状のまま残されるが、協議会の持つ「監督、管理、調整及び指導」のための権限が奪われ、「まとめ役」といった役割が割り当てられている。現行の改正案で、高等教育協議会は21人であったメンバーの数が11人に減らされ、7人の大統領任命分がなくなっている。草案には、財団が「営利目的の」大学を開校することはできないという方向での改正も、見当たらない。
草案では高等教育協議会の組織の目的を明記しているが、その目的は「調整と教員養成のための計画」という表現で十分であるようだ。現行の憲法第131条では高等教育協議会の権限を次のように規定している:「高等教育機関の教育内容を調整、管理、監督し、高等教育機関における教育および学術的研究活動を方向付け、これらの機関が法律に規定された目的および原則に従って設立され、発展し、大学に支給された資金が効果的に使用されることを確実にし、教員養成を計画する。」
草案で、この条項の改正個所にあたる第101条に挙げられている(高等教育協議会の)権限は次の通り:「教員養成を計画し、大学が示す学生の割り当てを承認し、大学間の調整をする。」

■メンバーの数が、初めて憲法に明記
草案では大統領が高等教育協議会のメンバーを任命することが廃止されている。現在21人である高等教育協議会のメンバー数は11人へと減少する。現行の憲法では高等教育協議会のメンバーの数に関する決まりはない。このこと関しては第2547号高等教育法により規定されている。草案ではメンバーの数が規定されている。このことが、新しい憲法が施行されたら高等教育法は廃止されるであろうという見方の原因となっているのだ。草案では6人のメンバーを任命する権利は閣議に与えられ、重要事項は政府を通すことが盛り込まれている。さらに、高等教育協議会メンバーと議長の任期は4年から3年へと減らされる。この改正の理由は草案に次のように述べられている:「実施される改正により、大学自治の原則の枠組みのなかで、高等教育協議会の役割は調整と計画に制限されている。高等教育協議会が、実際の運営において効率よく機能するため、メンバーの数は11人に規定されている。閣議が選ぶメンバーの大部分が教員であることが予定されている。5人のメンバーは、異なる大学および高等教育機関をふくめ1982年憲法にあるように、法に規定された方法でいくつもの大学により選ばれることが予定されている。大統領がメンバーを選ぶ権限は、大統領権限の縮小という中で失われ、さらに1982年憲法で認められていた大統領が直接議長を選ぶ権利は、協議会に与えられている。」
草案では、現行憲法にある、財団による大学設立の条件である「営利追及を目的としない」という表現をやめ、「営利追求のために」大学を設立することに道が開かれている。
憲法第130条にある「法律に示された方法および原則に従って、営利追求を目的としない条件で、財団は国家の監督及び管理に従う高等教育機関を設立することができる」という表現が、草案の第100条では「大学および他の高等教育機関は、法律に示された方法および原則に従って、財団によっても設立されうる」に変更された。

■教員が学長を選ぶことになる
現行憲法第130条によると、学長は大統領が、学部長は高等教育協議会が指名する。草案の第100条では「学長は、法が規定した方法および原則により、教員が5年に1度選び、一期限りである(再選不可)。財団による大学と他の高等教育機関に関する改正は法により守られている」とされ、権利は教員へと移される。
草案では、大学が提示した予算案は、高等教育協議会による調査および承認を経ずに直接国民教育省へと送られることになっている。草案ではこれらのことは次のように理由付けられる:「大学においてより民主主義的な環境を整える目的で、学長は直接教員により選ばれるという原則が採用され、高等教育協議会および大統領のこのことに関する権限は失われる。」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:11916 )