イラン政府関係者がまたもイラクで米軍によって逮捕
2007年09月22日付 E'temad-e Melli 紙
イラクのスライマーニーヤにある「パレス」ホテルに滞在していたイラン・ケルマーンシャー州政府訪問団に対する米軍の襲撃により、同州政府の国境貿易の責任者で訪問団一行のメンバーであったファルハーディー氏が逮捕された。この事件を受け、バグダードのイラン大使館はイラク外務省に対し文書を提出し、同事件に対する我が国の強い抗議の意志を伝えた。
セイエド・モハンマド・アリー・ホセイニー外務報道官もこの事件に関し、「このような米軍の行為は、明らかな国際条約違反であり、きわめて不適切で、イラクと近隣諸国との公式な関係を破壊することを狙ったものである。イラク政府と近隣諸国との関係について占領軍が言明した約束と、明らかに矛盾している」と表明した。
イラク・クルディスタン地域政府もまた、声明の中で、イラン人訪問団の一員をイラクで米軍が逮捕することは違法行為であるとして、逮捕された者の即時釈放を求めた。イラク・クルディスタン地域政府の長官であるマスウード・バールザーニー氏の事務所が発表した声明には、「われわれは、アメリカのこの行為は違法であると考える」との文言が見られる。
イラク・クルディスタン地域政府の駐テヘラン代表もまた、ケルマーンシャー州政府からイラクに派遣されていたイラン人訪問団のうち一人が、イラク・スライマーニーヤで米軍によって拘束されたことに関し、「アメリカはこの人物に関して誤った情報をもっていた」と述べた。
イラク・クルディスタン祖国連合の駐テヘラン代表を務めるナーゼム・ダッバーグ代表は、イラン学生通信とのインタビューの中で、次のように述べている。「われわれはこの瞬間まで、この問題を調査しているところだ。われわれはこのような行為を非難しており、この問題に関しアメリカに対して強く抗議してきた」。
同代表は、クルディスタン地域政府がこのイラン政府当局者の釈放に向けて、どのような行動を取ってきたかについて、次のように語っている。「イラク大統領個人や副大統領、そして地域政府の責任者らは自らの抗議の意志をアメリカに伝えている。われわれはアメリカが一刻も早く、この人物を釈放することを期待している」。
同代表によると、ケルマーンシャー州知事補佐官は、米軍による拘束の下でイラク北部にいるが、同氏が収監されている正確な場所については明らかではないとのことだ。
この事件を受けて、ケルマーンシャー州知事は「もし早急に、経済使節団の一員であったイラン人人質が釈放されなければ、われわれとイラク・スライマーニーヤ地域との経済交流はすべて断ち切られることになろう」と警告する。
アブドル・マジード・ガフーリー知事は、逮捕されたのはイラク・スライマーニーヤに派遣された経済使節団の一員であったとした上で、「この訪問はイラク・クルディスタン地域の知事の正式な要請を受け、経済・商業上の問題を解決させることを目的に行われたものであった。もしこの経済使節団の人質が釈放されなければ、すぐにでも、われわれとイラク・クルディスタン地域との経済交流はすべて断ち切られることになろう」と語った。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11986 )