この涙は勉強するために―女子児童の就学に慣習の壁
2007年09月28日付 Radikal 紙

スルチ郡の村々で、郡知事と教師たちが学校に行かせてもらえない少女たちを調査していた際、ある母親は2人の娘を馬の乾草小屋に隠した。乾草小屋で発見された少女たちは、「学校に行きたいんです」と言って泣いた。


母親が、学校に行かせないよう乾草小屋に隠したジェイランとフェイマを当局は見つけたが、現在のところ彼女らに教育を受けさせることはできていない。
トルコではおよそ100万人の少女が学校に行っていないが、その数を減らす努力は続いている。シャンルウルファ県(トルコ南部、シリア国境沿いの一県)のスルチ郡にある村々で、多くの少女の就学が始まっていないのを受けて、ムヒッティン・パムク郡知事は、国民教育省の担当者と教師たちと一緒に、村々で「説得行脚」を行った。
キョセヴェリ村では、学校にまったく行かせてもらえないか、あるいは5年生以降学校に行っていない女子児童が22名いると分かり、郡知事は父親たちを村の広場に集めて、彼らに対し教育のためにあらゆる支援をすると述べた。

多くはトルコ語を解さない女性たちとの意思疎通については、スルチ郡にある全寮制の初等教育地域学校の教師である、ミュジギャン・シャーヒンさんとフィダン・バアジュさんがクルド語を話しながら行われた。「あなた方の娘さんたちを学校に行かせてください」との要請に対し、女性たちは「私たちにとっては娘たちを学校にやることは恥なんです」と返答した。

5年生以降学校に行かせてもらっていないジェイラン・カヤさんと妹のフェイマ・カヤさんは、調査団が村にやって来ると聞いた母親のエミネ・カヤさんによって、乾草小屋に隠された。家を訪れた教師たちの一人フィダン・バアジュさんが二人の姉妹に気づき、乾草小屋から出した。郡知事が説得にあたると、母親は「私は知りません。夫が知っています。私たちのしきたりでは若い娘が学校に行くのは恥です。だから学校に行かせてないのです」と語った。しかし、二人の姉妹は「私たちは学校に行くために必至に説得したんです。でも聞き入れてくれなかったんです」と言って泣いた。

調査員の一人ミュジギャン・シャーヒンさんは、スルチ郡出身でクルド語を話し、村で保護者たちを説得しようと努めている教師であるが、この辺りでは女子児童は慣習の圧力下にあって、教育から遠ざけられていると説明しつつ自身の例を語った。
「私が学校に通っていた頃、父も『恥だ、娘を学校にやるなんて。頭髪を覆いさせなさい、長袖を着せなさい』と言われました。でも父は勉強が好きでしたので、私を学校に行かせ続けてくれたのです」

パムク郡知事は、キョセヴェリ村で学校に行っていない22人の女子児童のうちの7人のために、家族から学校へ行かせるという約束を取り付け、この児童たちが全寮制の初等教育地域学校に入学することになると語った。

■600万人の女性は読み書きができない
2003年に開始された「少女たちを学校に・キャンペーン」の一環で、およそ28万人の女子児童が就学した。トルコでは約600万人の女性が読み書きができない。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:12035 )