ペルシア湾の海岸地帯(ホルモズガーン州ジャースク県東部の海)で79頭のイルカが死んでいたが、環境庁の局長らはこの問題について知らないとしている。
この問題では、環境の専門家らがこの出来事を生息環境の悲劇とみなし、監督機関としての環境庁にこの件の調査を要請している。
エブラーヒーム・バーイラーミー・ジャースク県環境長官は、ジャースク県東部で79頭のイルカが死んでいたことについて、詳細を次のように説明した。「5日前、巡回職員がジャースク県東部の海岸を巡回中、キャリーラク村とスィヤーヒー村の海岸地帯にかけて息絶えた79頭のイルカの死骸に遭遇した。」
同長官はさらに「責任者の手配で、専門家らがこの地区に赴き調査したところ、これらのイルカは死後5日経過していることが明らかになった」と述べた。
バーイラーミー長官はファールス通信とのインタビューで次のように続けた。「この事件が起こったとき、地域住民はイルカが死ぬのを目にしていたが、意識が低く、関係する役所に通報しなかったために、良い結果に結びつけることができなかった。」
一部の専門家は、海洋破壊と海洋生物の損失は、責任者がこの問題に無関心なため、司法当局で問題が取り上げられないことから起こっていると信じる。
これらの専門家によると、このような出来事で、いまだ司法当局に真剣に取り上げられていない最近のものとして、2ヶ月前、《TAVANIRU》社〔発電・送電会社〕のタンクから重油が流出した問題がある。タンカーからのバラスト水の流出もこの地域での日常的な問題に変わっている。
これらの専門家によると、キーシュ島の珊瑚の破壊もまた、海洋生物に対する無関心が表れたケースであり、一方カスピ海でも、町の汚水によって地域の水生生物が石油などによる汚染にさらされている。
海洋環境の専門家、モハンマドレザー・ファーテミー氏は本紙とのインタビューで、ペルシア湾のイルカは通常10~20頭の群れで行動するため、79頭ものイルカが死ぬのは珍しい現象であるとし、「これほどの数が死ぬのは大変危険で、警告と思わねばならない」と述べた。
同氏はさらに、「南洋ではもともと、網にイルカがかかると、漁師はイルカを逃がしてきた。しかしイルカの大量死はイランでは今日まで報告されたことがなく、この問題は調査・追究されねばならない」と述べた。
同氏は、最近の石油汚染とイルカの死との関連性について次のように述べた。「その可能性はない。何故なら、汚染物質はこれまでに分散して消えてしまっているからだ。さらに、イルカは海底に棲む生物ではなく、海面近くに棲み、基本的に石油汚染地域からは遠ざかって行くからである。」
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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:12037 )