メヴラーナ文化センターの記念碑、日本語部分は意味不明の珍訳
2007年10月03日付 Zaman 紙
全ては3年前にメヴラーナ文化センターの戸外のセマー(訳注:音楽や舞踊を伴って集団で神を祈念する修行)の場を取り囲むコンクリートの記念碑に、11ヶ国語で「あるがままに見られるようになさい。そうでなければ見られるがままにありなさい」という文言が書かれたことから始まった。メヴラーナのこの有名な文言が日本語に翻訳されたが、奇妙な表現となってしまった。「あることをようであると同時にまたはあるためにあるようにあることをであって下さい」という文を見た日本人たちは、インターネットのサイトで誤訳を笑いものにしている。コンヤ広域市文化局長エルジャン・ウスル氏は、この責任は日本大使館と建設業社にあると述べている。ウスル氏は、メヴラーナ文化センターが建設された際、全ての大使館と連絡を取ったと説明し、「2004年9月14日付で日本大使館からもこの文言の日本語訳が届きました。建設業社はこの日本語訳をコンクリートの記念碑に刻みました。現在、日本から届くことになっている返答に従って文言の日本語訳を修正する予定です」と述べた。
翻訳の誤りに最初に気付いたのはメヴラーナを敬愛するある日本人だった。カセユミコさんは、3年前からコンヤのメヴラーナ文化センターの入口にある日本語訳の文章を変えようとがんばっている。カセユミコさんは、2005年の「婚礼の夜」の儀式の際に彼女の日本人の友人が注意したことで、記念碑の間違いに気が付き、関係各所に誤訳について連絡したと話している。カセユミコさんによれば、約3年前からこの誤りを指摘してきたにもかかわらず、関係者らは修正のために何もしなかったという。また、「コンヤに来る観光客の80%近くは日本人です。この誤りは我々にとって大変残念なことです」と語っている。カセユミコさんは、長年にわたりトルコで生活し、メヴラーナを敬愛している。彼女は間違いが放置されていることで、コンヤや、メヴラーナ、そしてトルコが日本のインターネットのサイトで笑われているとも話す。カセさんは、「最も悲しいことは、この文言を見た人たちが、『メヴラーナは聖者だったのか、それとも狂っていたのか?』と考えることです。この誤訳が訂正されることを望みます」と話した。
コンヤ広域市文化局長エルジャン・ウスル氏は、この誤りは日本大使館と建設業社の間で起こったと話している。ウスル氏は、「メヴラーナ文化センターが建設された際、数カ国の大使館と文書のやりとりをしました。2004年9月14日付けで日本大使館からも文言の日本語訳が届きました。建設業社はこの日本語訳をコンクリートの記念碑に刻みました。しかしその後の反応に応じて、文言をチェックするため2,3箇所に送りました。認定を受けた翻訳者は、『もしも望めばそうあることができる、どのように望んだとしてもそのようにあれ』と訳しました。現在、認定を受けた翻訳者であるヒロコ・ハクセヴェルさん、メスネヴィー翻訳委員会、それに日本から届く回答に従い文言を修正する予定です」と話している。ウスル氏は、現在までに2つの回答が届いているが、他にも誤訳がないようにもうひとつの回答が来るのを待っていると説明している。ウスル氏は、アラビア語訳でも点の打ち方に誤りがあったと語っている。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:12065 )